従来の在来木造住宅は、通常床下は、外部扱いですが、新木造住宅研究協議会が開発した床下暖房システムでは、基礎を断熱することにより、室内として扱います。
この暖房システムの特徴は、床下そのものを暖房しますので、足元が温かいことです。
人間は、足元が暖かいと、体全体が温まります。
いつも、床暖房と間違えられるのですが、 続きを読む
新しいホームページの目次に、家づくりガイドを設けました。
それをクリックするとコスモホームのスタイルのコーナーへと繋がります。
まだ見ていない方は、是非一度開いてみてください。
コスモホームのスタイルは、弊社の住宅の建て方を六つの項目に分け、説明しているコーナーです。
出きるだけ簡潔に説明しているつもりですが、理解して頂けるでしょうか?
少々説明不足のところもありますので、機会を見ながら補足してゆきたいと思います。
まず、最初は「理想の住まいへ」です。
お施主様にとっては、ちょっと面倒かもしれませんが、設計をする前に、『家づくりプランシート』に家づくりに対する 《想い》 を記入して頂いております。
このシートは、私達にとって、非常に大切な情報源になります。
家づくりで一番大切な事は、お施主様がどのような住宅を建てたいかを私達が十分に理解できるかにかかっています。
とにかく、このシートに家づくりに対する希望を、いっぱい書いて下さい。
その書いてある内容と、お施主様との会話の中から、私達は、お施主様にとって何を提案できるかを考えていきます。
私達は、お施主様が単に希望する住宅を図面化すれば良いとは思っていません。
お施主様が考えている家づくりに何かプラスアルファーできないか、何か面白いご提案ができないかをいつも考えています。
私達がプレゼンしたものがお施主様に認めていただいた時は、設計者として、非常に嬉しく思います。
提案が、お気に召さないときは、遠慮なく言ってください。
断っては、申し訳ないとは、決して思わないで下さい。
お互いが、気まずい関係になってしまいます。
お施主様と設計者がお互いに信頼をし、何でも言い合える関係づくりをすることが大切です。
『お施主様に喜んで頂ける』、これが私達の最終的な目的です。
by kakizaki
これから、白蟻が羽アリとなって飛び立つ季節です。
主に東北地方にいるのは、ヤマト白蟻です。白蟻は、普段は人前に姿をみせませんが、年に一度、春から夏にかけて、羽アリとなって飛び立ちます。ヤマト白蟻は、4月から6月ころ雨が降った翌日など蒸し暑い日中に、群れとなって飛びます。
ヤマト白蟻の特徴は、地中から建物に侵入し、土台や柱などを食害します。湿った木材を好み、浴室などの水周りや建物の下部を中心に食べ、えさもある木材の中に営巣します。
実は、昨年、白蟻被害にあった住宅を改装しました。
下の写真が実際の被害にあった状況ですが、これは、私がかつて経験したことがないくらいの甚大な白蟻被害でした。
殆どの柱が、根こそぎ被害にあった上、ほぼ2階の柱にも達してしました。場所によっては、天井うらまで白蟻がきていました。
何故、こんなにも被害が広がってしまったのでしょうか。
最大の原因は、外壁に通気層を設けないで、モルタル仕上げ をしていたことだと思います。
モルタル仕上げの壁は、非常にひび割れし易いのが難点で、ありとあらゆる割れ目から雨水が入り込んでしまいます。この住宅の場合通気層がないため、いきなり、柱や間柱を雨が濡らし、その雨は、いつしか、土台まで達します。ヤマト白蟻は、湿った木材を好みますから、建物の下部にいた白蟻は、自然に上へ上へとえさある方へ導かれていったようです。
その結果、家全体が白蟻被害にあったようです。
通常の住宅は、せいぜい風呂周りか、トイレぐらいなものですが、今回の被害は、私も、ビックリです。
白蟻もあなどれないと、痛感しました。
とにかく、羽が家のどこかに落ちていたら、白蟻がいると思ってください。
その時は、専門業者にできるだけ早めに相談して下さい。
相談するなら、地元の専門業者が良いですね。訪問業者は、基本的に注意した方が良いと思います。特に、遠方からから来た業者は、避けた方が無難です。
チョチョと工事をして、高いお金を請求し、ドンズラする業者もいるそうですから、その辺は、要注意です。
1階と2階の柱そして筋交いまで被害を受けています。
通し柱、桁(横架材)も被害を受けていました。
被害を受けた柱を拡大。
被害にあった柱の断面ですが、場所によっては、柱の形をしていないところもありました。
このように、白蟻は、場合によっては、建物を倒壊させるほどの被害を及ぼすことがあります。
白蟻は、どこにもいます。しかし、白蟻が侵入しても、被害が広がらないように工夫する家づくりが大切です。
その件については、またの機会に・・・
by kakizaki
いよいよ、今月から、家庭用燃料電池が発売されます。販売価格は
パナソニック 3,465,000円
荏原バラード 3,465,000円
東芝燃料電池システム+長府製作所 3,255,000円
ENEOSセルテック+長府製作所 3,255,000円
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」に補助金が上限140万円まで出ることがきまりました。
家庭用燃料電池は、水素を使って電気を起こす発電機です。電気ができる際、熱を発生するので、それを給湯に使います。
エネファームの最大の魅力は、従来の機器に比較して、約30%もCO2を減らすことが可能なことです。
エネファームを販売する東京ガスは、機器を起動してから、最長10年間は無料で補修を受け付ける「無料サポート期間」を設けるようです。
ただ、燃料電池が自動停止すると、その時で無料サポート期間は終了します。
東京ガスは、8年間程度で燃料電池が自動停止する可能性が高いと想定しています。
その後は、点検・修繕一回ごとに10万円の費用がかかるそうです。チョット高い気がしますが・・・
ただし、エネファームはガス給湯機と比較して、年間当り5~6万円程度光熱費を削減できるそうです。
無料サポート期間10年間を目安にイニシャルコストを試算すると
機器価格 3,465,000円-補助金1,400,000円-ガス給湯機300,000円-光熱費削減費600,000円(60,000円×10年)=1,165,000円
即ち、10年では、イニシャルコストは回収できないことがわかります。
東京ガスでは、8年後に機器価格を100万円以下まで引き下げる計画をしているそうです。
こうなってくると、一機に、現実味を帯びてきます。
出きるだけ早く、価格もそこそこで、CO2を多く削減できる家庭用燃料電池を販売してほしいものです。
by kakizaki
先日、サンポットさんの地中熱ヒートポンプ暖房の講習会に参加させていただきました。
その時頂いた資料を紹介したいと思います。
建設地 山形県 山形市
熱損失係数 1.9〔W/㎡K〕 (想定値)
相当延べ床面積 148.5〔㎡〕 (45坪)
GSHP成績係数(COP) 3 (一次側戻り0℃、二次側送水45℃の場合の想定値)
1シーズン当り地中熱ヒートポンプ暖房ランニングコスト(概算値) 154,016円
灯油価格を50円/ℓとして
1シーズン当り灯油暖房ランニングコスト(概算値) 135,884円
というデータを頂きました。
またしても、変なデータの数字です。
灯油の予測消費量は
135,884÷50=2,717ℓ/年間です。
4月9日のブログの三菱のエコヌクールの記事と同じような結果がでています。
山形市の45坪程度で熱損失係数1.9の建物が年間2717ℓも灯油を消費するようなことは、ありません。
これは、まったくのザル住宅です。
前回同様同じような建物でQPEXでシュミレーションしてみました。
相当延べ床面積 150.99㎡(45.7坪)
熱損失係数 1.9〔W/㎡K〕 (想定値)
灯油の年間消費量 1150ℓ
でした。
即ち、実際の予測数値は、サンポットさんの約42%の消費量で済みます。
これでは、とてもシュミレーションにはなっていないのではないでしょうか。
サンポットさんは、弊社で灯油の床下暖房を採用しているメーカーです。
こんなことは、私から指摘されなくても、十分解っていることなのに、何故現実離れしたデータが出てくるのでしょうか。
暖房メーカーは、もう少し、自分達が出すデータに責任を持ってもらいたいと思います。
もし、気象条件が同じだとすると、地中熱ヒートポンプを採用した場合は、
154,016×0.42=64,687円/年 ぐらいの電気料金なのか・・・
私には、ちょっと解りません。
by kakizaki
今回は、前回に引き続いてコンセプトの話です。
私は、簡単に言って、住宅は、『格好良くなければいけない』と思っています。
建築は、公共物であろうが、私物であろうが、多くの人の目にさらされます。
格好のいい建物は、人に感動を与え、街のシンボルにもなります。
そして、何十年にも渡って残っていくものです。
私達、建築に携わるものとして、やはり、デザインは、とても重要な要素だと思います。
これからの住宅会社に求められる多くの部分は、デザインによるもののような気がしてなりません。
性能というのは、外見からは、ほとんど解りずらいものですが、デザインは、我々建築士がセンスをアピールできる、大変貴重な場でもあります。
住宅会社は、良い性能の建物を造って当たり前。
これからの住宅は、デザインで選ばれていくのではないでしょうか。
そういった意味において、弊社のコンセプトに、最重要課題として、上げさせて頂きました。
by kakizaki
弊社のコンセプトは『環境とデザイン』
本当は、『性能とデザイン』という言葉が正確なのかも知れません。
住宅性能というと、非常に多くの事が含まれます。
耐震、断熱、気密、素材、火災時の安全、遮音性、高齢者への配慮などなど、余りにも意味の範囲が広がります。
そこで、もう少し具体性を持たせ、そしてこれからの社会に特に重要だと思われるテーマである『環境』に絞って、弊社の家づくりを考えようと思い、まず最初にこの言葉を持ってきました。
実は、この『環境』という言葉は、私にとって生涯のテーマと言っても過言ではないかも知れません。
私は、東京の芝浦工業大学建築工学科を卒業していますが、研究室は、設備系を選びました。
卒業論文は“ソーラーシステムのイニシャルコストとランニングコストの比較”とその当時、我々学生にとっては非常に興味深いテーマでした。
結論からいうと、約30年前では、設備をランニングコストの軽減でペイはできませんでした。
設備の性能が、余りよくなく、維持管理費が多くかかり過ぎ、多少の燃費の良さではペイするのは、とても無理でした。
実は、現在でも、設備費をペイするのは難しく、補助金がでないとなかなか進まないのが現状のようです。
しかし、設備の性能は格段によくなり、地球温暖化が叫ばれる昨今、多少のお金を払ってでもやっていかなければならない事であることは間違いありません。
むしろ、この問題を正面から取り組まないと、地球の将来が危ぶまれます。
私個人的には、非常に危機感を持っております。
30年前に勉強したことが、私の今の仕事に非常に役立っています。
この『環境』は、私の生涯のテーマだと思っています。
by kakizaki
家づくりを考えるとき、皆さんは、最初に何をするのでしょうか。
住宅雑誌を購入したり、近くの住宅展示場を訪問したり、はたまたインターネットを使って情報を仕入れたり、人によって様々だと思います。
現在は、住宅に対する情報が溢れんばかりに非常に多くあります。
中には、断片的な知識が重なり結果的に、何をどうすれば解らなくなっている方も時々お見受けいたします。
情報と言うのは、多くあれば良いというものではありません。
その情報をきちんと整理できる正しい洞察力が必要です。
それを家づくりについて、一般の方がするというのは、至難の技です。
そこで、住宅建築に携わる者として、できだけ中立な立場で『家づくり』について意見を述べさせていただこうと思います。
私達の、意見が皆さんの『家づくり』にどれだけ参考になるかはわかりませんが、少しでもお役に立てば幸いと思い住宅に関する事を『家づくりのヒント』として、情報発信していきたいと思います。
実は、『家づくりのヒント』は、2007年6月12日から始めており、二年近くになります。
この度、ホームページを新しく更新するのにあわせて、ブログのサーバーを変更することに致しました。
過去の記事を読みたい方は、
に繋いでください。
by kakizaki