従来の在来木造住宅は、通常床下は、外部扱いですが、新木造住宅研究協議会が開発した床下暖房システムでは、基礎を断熱することにより、室内として扱います。
この暖房システムの特徴は、床下そのものを暖房しますので、足元が温かいことです。
人間は、足元が暖かいと、体全体が温まります。
いつも、床暖房と間違えられるのですが、床暖房は、床表面そのものを直接温めますので、最初は気持ちよいのですが、長時間接していると、熱いくらいです。
場合によっては、低温やけどになる可能性もあります。
また、温めている床と、何もしていない床との温度差も生じます。
床下暖房システムは、床の表面温度が、ほとんど室内温度と同じ20度前後ですので、低温やけどの心配はありませんし、床の表面温度全体が均一になります。
弊社では、ボイラーの熱源は灯油を採用しています。
最近は、ヒートポンプ式電気温水ボイラーも出始めていますが、私が知る限りでは、ヒートポンプ式電気温水ボラーが灯油ボイラーより効率がよいとは思えません。
最近弊社は、基礎断熱の素材をグラスウールメーカーのマグが開発した基礎断熱用グラスウールに変えました。
グラスウール基礎断熱の施工状況
従来は、施工のし易さから同じガラス素材ではありますが、硬質なコリグラスという製品を使用していましたが、価格が余りにも高いので、新住協で提案している通常のグラスウールを使う方法に切り替えました。
基礎断熱にガラス素材ものを使用する一番の理由は、白蟻対策です。
白蟻の生態を研究している方の話によると、白蟻が、建築資材で食わない(かじらない)のは、鉄とガラスだけだそうです。
すなわち、建物の一番重要な基礎に、白蟻が群がり易い発泡系の断熱材を使用することは避けるべきであるという考えからです。
ガラス素材から出来ているグラスウールは、その点では、合格です。
しかし、グラスウールは繊維質ですので、水を吸水しやすいという欠点も持っています。
撥水加工されたグラスウールを使用することは、もちろん、雨水がグラスウールの周りにたまらない工夫も必要です。
柔らかいグラスウールの上のモルタル仕上げですから多少ヒビが入るかも知れませんが、そこは、大目に見て頂きたいところです。
全てに於いて完璧な製品は、ありません。
しかし今回の、基礎断熱材の選択は、住宅を長持ちさせる上で、大きなポイントだと思っています。
断熱性能を高めるため、基礎の内側にも、後ほど、グラスウールを貼り、基礎をサンドイッチ状態にします。
基礎の内側にグラウール断熱材を貼っている途中
私は、メーカーの回し者ではありませんが、グラスウールの断熱材は、結構使い勝手が良いと思っています。
by kakizaki