今年の夏は、エアコンの試運転はお早めに!
試運転する前には、必ずエアコンのフィルター掃除をしっかりやりましょう!
長く使っているエアコンは、掃除の専門業者にお願いをして中まで綺麗にしてもらうのがいいですね。
そして、万一冷房が効かない場合は、出来るだけ早めに対応した方がいいです。
今年は特に、半導体不足でエアコンの在庫が少なくなっているそうです。
あっ。それから、試運転する場合は、必ず、屋外機のカバーを外すのを忘れずに!!!
高断熱住宅に一番向いている暖房器具は?
という質問に回答する前に、少し整理してみたいと思います。
暖房の方法は、熱源別にすると3種類あります。
①ガス
②灯油
③電気
ガスは、便利ではありますが、暖房費が結構掛かるので、余り選択することはありません。
現況で、北国で一般的に多いのは灯油だと思います。
弊社も以前は、灯油暖房機でしたが、最近は殆ど電気に変わってきました。
その大きな理由は、エアコンの性能がとても良くなったことが挙げられます。
10数年前、オール電化と称して蓄熱暖房機がとても流行りました。
蓄熱暖房機は、深夜の安い電気料金を使って熱を蓄熱するだけで、電気の消費量はとても多いものになっていました。
ところが、東日本大震災の原発事故をきっかけに、電気を大量消費する蓄熱暖房機は、見直され、一気にヒートポンプ式(通常エアコンと言われるもの)へと変換されて行きました。
蓄熱暖房機は、1の電気から1のエネルギーしか発生できませんが、エアコンは、1の電気から数倍のエネルギーを発生することが可能です。
エアコンの効率は、通年エネルギー消費効率(APF)で表すことが出来ます。
「通年エネルギー消費効率(APF)」というのは、1のエネルギーを何倍にできるか?というエアコンのエネルギ―性能を表したものです。この数値が大きいほどエネルギー消費効率が優れている省エネエアコンということになります。
通年エネルギー消費効率は、あくまでも計算上の数値で、暖冷房用エネルギー消費量プログラム(QPEX)で計算する場合は、この数字を3くらいにしています。
車の燃費も、計算結果と実際とは違うようにより現実的な数値に置き換えています。
実際に計算する、3倍の電気エネルギーのヒートポンプ式エアコンは、ほぼほぼ灯油高効率ボイラーと変わらない燃費になります。
今後エアコンが、通年エネルギー消費効率(APF)に近い数値に効率が良くなればかなり省エネな機器と言えます。
弊社が採用しているQ1.0(キューワン)住宅レベルになると、計算上は10畳用(5坪用)エアコンで約40坪の大きさ位まで暖房が可能です。
さすがに、エアコン一台で40坪の家全部を暖房するのは、空気の循環上チョット無理があるので、予備としてもう一台併設しています。
エアコン2台で、一年中冷暖房が可能なのです。
エアコンは、今では冷房用にどこの家でも設置しているので、そのまま暖房用として使い設備費を抑えることが出来ます。
但し、従来のスカスカ住宅では、床まで温まりにくく、又風量も強くなり余り快適な暖房とは言えません。
エアコンは、あくまでも高断熱住宅だからこそ採用できる暖房機器と言えます。
冬の暖房対策と夏の冷房対策、どっちがやり易い?
・・・・
答えは、夏です。
実は、夏対策は、後付けでも出来るのです。
8月3日の私のブログでも説明した日射遮蔽対策も、建築後に施工しようと思えば可能です。
むしろ、夏の対策を頑張りすぎて冬の日射取得が出来なくなるのは、建物エネルギーとしては、逆効果になります。
そうは言っても、夏の西日はキツイ!
しかし、東と西の日射量は同じ。
何故、東より西からの日射が暑いと感じるのでしょうか?
それは、東は、夜が明けたばかりの涼しい空間の日射なのに比べ、西は日中熱くなった空間からの日射で暑さが増幅されるからです。
そして西日は、ほとんど真横から侵入してきますので、庇などは、まったく効果がありません。
後付けの外付けブラインドの施工例(ヴァレーマ社)
上記のような外付けブラインドであれば、効果は結構ありますが、価格が少々高いのが難点。
最近は、建築的には西側の窓を小さくする傾向があります。
場合によっては、窓を設けない設計もしています。
(西側に窓を設けないデザイン)
換気は、24時間の機械換気なので建築的には問題はありません。
西日対策も兼ねて、スッキリしたデザインに仕上がっています。
7月17日は海の日の祭日。
久しぶりに予定がなかったので家のメンテナンスを頑張りました。
メンテナンスで特に重要なのが換気扇の掃除です。
しかし、この掃除をやっていないオーナーさんも結構いますので気を付けて下さい。
実はこの換気扇の掃除は,とても重要で長年放って置くと機械の故障に繋がったり、フィルターの目詰まりで室内の結露の原因にもなりかねません。
いつのまには、押し入れにカビが生えていた。
何てことが起きるまもしれません。
そこで、お父さんたちは年二回は、お休みを利用して換気扇の掃除をして頂きたいと思います。
私の家は、第三種換気です。(最近の弊社の新築住宅は、第一種換気扇ですので掃除の仕方は違います。)
この点検口の上に換気扇がありそのカバーを外し、ファンの周りの埃を取っていきます。
ファンがカセットタイプでない旧式のため埃まみれになりながら掃除をしています。
実は、昨年の秋に掃除をさぼってしまい、先日から異音がし始めていました。
ここの掃除が終わると外のフードの掃除です。
メッシュのカバーを外し埃を取り除きます。
最後に給気口の掃除です。
ここは、新鮮空気を室内に入れる大切な部分ですが、フィルターに結構虫が多く詰まったりします。
分解して掃除をしていきます。
掃除の時間は30分くらいです。
我が家の換気扇は、お陰様で異音もなくなり静かに動き始めました。(ホッ)
弊社で建築して頂いたオーナー様宅は、換気扇掃除は必須項目です。
早め早めの対応をお願い致します。
遊佐町吹浦のテーマが
『気の合う仲間と賑やかに語り合う家』
の空調設備には、床下エアコンを採用しています。
今回は、床置きタイプのエアコンを設置しました。
この家の空調する床面積は141㎡で、Q値(熱損失係数)が1.08W/㎡・Kですので、必要暖房能力は、約3.0kwになります。
という事は、計算上は8畳用で売り出しているエアコン一台で家中の暖房が可能です。
すなわち、141㎡は約85畳に相当しますから、メーカーが想定している広さの約10倍の広さをエアコン一台で暖房できることになります。
新住協で出しているQPEXで計算すると、年間暖房用電気消費量は、785[kwh]になります。単価を27円/kwhとすると年間の電気料金は、あくまでも単純計算ですが、年間21,195円になります。
これって凄いでしょ!!!
建物の断熱性能を良くすると光熱費の維持費が劇的に変わります。
ただ実際には、エアコン一台では、暖気が家中に十分回らないので、通常補助的に容量の小さいエアコンを二階にもう一台設置しています。
小さなエアコン二台で家中を冷暖房できるのですが、問題は空気をいかにまんべんなく全体に循環させるかです。
そのために考えだされたのが床下エアコン暖房です。
床下空間全体を暖房する事によって、床に設けたガラリから室内に暖気が上がり、家全体が暖まるようになります。
この方法ですと床から、ほのかな暖かさが感じるのでより快適になります。
こんな事は、超高断熱Q1.0(キューワン)住宅だから出来る技ですね。
時代はどんどん変わっていきます。
先日、あるアパートにお住まいの方からキッチンの換気扇から水が漏れてくるという連絡を頂きました。
キッチン廻りで雨漏れか?
と思って現場を確認すると・・・
大量の水が、キッチンの換気扇から逆流してきます。
何で?
何で?
天井裏に登って確認すると、換気扇とつながっているダクトの中に水が溜まっています。
何で?
何で?
最初は、換気扇の外のフードから雨や雪が逆流してくるのかな?
と思ったのですが、それにしては、水の量が半端でない。
もしかしたら・・・
排気されるはずのキッチンの水蒸気が、外部フードの目詰まりで、ダクト内で滞留し、水として溜まっているのではないか?
と思い、フードを取り外してみると、ご覧の通り油や埃などでびっしり目詰まり。
これでは、排気されません。
その原因は、フードに付いている防虫ネット(メッシュ)。
こんなに目が細かいメッシュが付いていれば、目詰まりして当たり前。
以前同じような目詰まりがあり、メーカーに問い合わせたのですが、その回答が
「防虫ネット付きが売れるものですから・・・」
何だそれ?
ちょっと理解できませんね。
弊社では、その事情が分かってから、遡ってこのメッシュの取り外し工事を7、8年前に致しました。
そして新規工事については、もちろん防虫ネットが付いていないフードを採用しています。
(ネット付きとネットなしの両方あるのが不思議でなりません。)
このフードは、ホームセンターなどでも普通に販売していますので、一般的に広く使用されています。
という事は、世の中目詰まりしている換気扇が多いのか?
分かりません。
9月14日(土),15日(日),16日(月)は久々の三連休。
これは、何かをしないともったいない。
そこで、お天気のいい日を狙って24時間換気扇の掃除をすることにしました。
私は、春と秋の年二回換気扇を掃除するように心掛けています。
(たまに忙しくて年一回の時もあるのですが、その時の埃は半端ないです。)
外のフードもお忘れなく。
このメッシュにご覧の通り埃がいっぱい付くのです。
私の家の換気は、第三種換気。
外壁側に給気口がついています。
それを外して見ましたが、それ程汚れていません。
実は、三か月程前に給気量調整をする際に掃除をしていました。
私は、夏と冬と給気量を変えています。
冬は寒いので、給気量を少々少な目にしています。
(但し、余り少ないと室内で結露する可能性がありますのでご注意)
その辺は、各自の自己責任でお願いします。
兎に角、換気扇は、こまめに掃除をすることが重要です。
世のご主人、皆さんの出番です。
よろしくお願いします。
by kakizaki
前回、ヒートポンプの原理を説明しました。
ヒートポンプは、自然の流れに逆らって運転させています。
ヒートポンプは自然界での熱の移動現象に逆らって、熱を低温部から高温部へ移動させる装置です。
ちょうど揚水ポンプが水を低所から高所へくみ上げることに似ています。
熱をくみ上げるという意味からヒートポンプと呼ばれています。
つまりヒートポンプは動力などのエネルギーを利用して、低温部の熱をくみ上げ、より高温の媒体に熱を移動させる装置のことをいうのです。
通常冷房は、夏の外気温30~35度を28度に下げる程度ですからせいぜい2~7度の温度差です。
それも、朝晩は冷房なしでも過ごせることが結構あります。
しかし、暖房は、外気温0~7度を20度まで上げなければならないので、13~20度程の差がでてきます。
そして何と言っても、運転時間と期間の違いです。
ここ山形県辺りでは、冷房は1か月程度ですが、暖房は11月~4月の約6か月は、覚悟をしなければなりません。
各家庭での、年間の消費エネルギーのグラフから見ても良く分かります。
冷房はせいぜい、暖房エネルギーの1/10程度なのです。
確かにヒートポンプは、冷房の逆運転をすれば暖房にも使えます。
しかし、外気温との温度差があればあるほど前回説明したように無理な運転をしているのです。
このようなことからも設備はやはり暖房を中心に考え、暖房は何かを燃やす単純なものがいいと思うのです。
そして出来る限り少ない燃料で済むように建物の性能を良くしたいものです。
そもそも電気というエネルギーは、家庭で使えるまでに、上の図からも分かるように、約63%のエネルギーを捨てているのです。
現在の電気のしくみはこれほど非効率なのです。
ですから電気は大切に使わなければいけないのです。
私は、電気でしかできないことだけを電気でやり、暖房など他の方法で出来るものは別の方法でやるのがいいと単純に思うのですが・・・
by kakizaki
毎日うだるような暑さが続いています。
いくら節電といってもどうしても、事務所のエアコンは毎日稼働しています。
冷房ってどのように出来るのが知っていますか?
暖房と冷房は同じように出来ると考えがちですが、全く違います。
暖かい空気をつくることは簡単です。
それは、何かを燃やばいいのです。
これは誰だって理解できますよね。
しかーーーーし、冷気は冷気そのものをつくることはできません。
それでは、どうするか?
それは、
冷やしたい空間の熱を外に移動させることによってその空間の温度を下げます。
即ち、単なる熱移動をしているだけです。
暖房のように、新たに熱をつくるのではなく、内側から外に熱移動をしているだけですから、熱そのもの量は変わらないのです。
そうすると、夏は、室内の熱を外気に放出していますので、暑い外は、益々暑くなるわけです。
即ち、室内を冷房するということは、外部を暖房していることになります。
暑い外気を暖房することになるので、外は益々暑くなります。
これが東京のように、エアコンを多く使っている大都会の外気が暑くなる大きな要因です。
エアコンはヒートポンプという原理で成り立っています。
(エコキュートも同じ原理です)
下の図は、ヒートポンプの原理を表しています。
この図では、左から右に熱が移動しています。
即ち、左の部屋が冷房して、右の部屋は暖房しているような状態になります。
ヒートポンプを利用した暖房は、この原理を利用しています。
しかし、この時に問題があります。
冷房の場合、熱は、暑い外に向かって放熱しようとします。
しかし、今年のように猛暑の場合は、外が余りにも暑い場合は、うまく熱が外に逃げません。
そうなると効率が悪くなります。
即ち、暑ければ暑い程効率が悪くなります。
このことは、冬の暖房にも言えます。
寒い外気温度からさらに熱を奪おうとするわけですから、寒くなればなるほど効率は下がります。
余りひどい場合は、室外機の周りに氷がへばりつきます。
このように、実は、ヒートポンプとは、自然界に逆らおうとする動きを無理やりしているのです。
(無理やり稼働しているので、電気も多く使います。)
ヒートポンプが寒い北海道のような地方で効き目が悪いのは、このような理由からです。
家庭の冷房は、このヒートポンプでしかできませんので、エアコンを使うしかありませんが、冬の暖房はもっと素直な暖房の仕方がいいように私は思うのです。
そうです。
何かを燃やせばいいのです。
薪、石油、石炭、ガス
そして出来るだけその量を減らす工夫をしたらいいと単純に思うのです。
ちなみに、家庭用冷蔵庫もヒートポンプの原理です。
ということは、中は冷房ですから、冷蔵庫の周りは実は、暖房していることになります。
暑い夏は、こんなところにも、敵がいたんです。(逆に冬は、暖房の助っ人です。)
by kakizaki