これから、白蟻が羽アリとなって飛び立つ季節です。
主に東北地方にいるのは、ヤマト白蟻です。白蟻は、普段は人前に姿をみせませんが、年に一度、春から夏にかけて、羽アリとなって飛び立ちます。ヤマト白蟻は、4月から6月ころ雨が降った翌日など蒸し暑い日中に、群れとなって飛びます。
ヤマト白蟻の特徴は、地中から建物に侵入し、土台や柱などを食害します。湿った木材を好み、浴室などの水周りや建物の下部を中心に食べ、えさもある木材の中に営巣します。
実は、昨年、白蟻被害にあった住宅を改装しました。
下の写真が実際の被害にあった状況ですが、これは、私がかつて経験したことがないくらいの甚大な白蟻被害でした。
殆どの柱が、根こそぎ被害にあった上、ほぼ2階の柱にも達してしました。場所によっては、天井うらまで白蟻がきていました。
何故、こんなにも被害が広がってしまったのでしょうか。
最大の原因は、外壁に通気層を設けないで、モルタル仕上げ をしていたことだと思います。
モルタル仕上げの壁は、非常にひび割れし易いのが難点で、ありとあらゆる割れ目から雨水が入り込んでしまいます。この住宅の場合通気層がないため、いきなり、柱や間柱を雨が濡らし、その雨は、いつしか、土台まで達します。ヤマト白蟻は、湿った木材を好みますから、建物の下部にいた白蟻は、自然に上へ上へとえさある方へ導かれていったようです。
その結果、家全体が白蟻被害にあったようです。
通常の住宅は、せいぜい風呂周りか、トイレぐらいなものですが、今回の被害は、私も、ビックリです。
白蟻もあなどれないと、痛感しました。
とにかく、羽が家のどこかに落ちていたら、白蟻がいると思ってください。
その時は、専門業者にできるだけ早めに相談して下さい。
相談するなら、地元の専門業者が良いですね。訪問業者は、基本的に注意した方が良いと思います。特に、遠方からから来た業者は、避けた方が無難です。
チョチョと工事をして、高いお金を請求し、ドンズラする業者もいるそうですから、その辺は、要注意です。
1階と2階の柱そして筋交いまで被害を受けています。
通し柱、桁(横架材)も被害を受けていました。
被害を受けた柱を拡大。
被害にあった柱の断面ですが、場所によっては、柱の形をしていないところもありました。
このように、白蟻は、場合によっては、建物を倒壊させるほどの被害を及ぼすことがあります。
白蟻は、どこにもいます。しかし、白蟻が侵入しても、被害が広がらないように工夫する家づくりが大切です。
その件については、またの機会に・・・
by kakizaki