新年明けましておめでとうございます。
新年ということもあり、多くの建築雑誌が今後の住宅の方向性を示していました。
今後は、大きく分けて二つの方向に分かれそうです。それは、
①スマートハウス
②パッシブデザイン
です。
スマートハウスとは、エネルギーや光熱費が「少なくて済む」という意味でのスマートと、「賢く」「手軽に」省エネをするという意味でのスマートのふたつがあり、スマートハウスはこの両方をできる限り自動的に実現することを目指します。
住宅を「省エネ家電」化する、そんなイメージにすると解り易いかも知れません。
スマートハウスのゴールは電力の「自立」「光熱費ゼロ」であるため、創エネ設備が不可欠です。
その構成する技術が
①発電設備
②蓄電池
③スマートメーター
※次世代電力計。電力の使用量や太陽電池の発電量などをデジタル化・見える化し、ネットワークでつないだパソコンやスマートフォンなどに送信できるメーター。
④HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)
※スマートメーターの機能に加え、太陽電池や蓄電池、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの住宅設備、エアコンや冷蔵庫など電力使用が大きい家電を有線・無線・電波などで結び、エネルギーの状況を見える化しながら最適化する機能を持つシステム。
等です。
スマートハウスは、大手ハウスメーカーがこぞって参加しています。
その理由は、
①売り易い
②単価をアップできる
③導入が手軽
④スケールメリット・企業力を生かせる
⑤分譲戦略に使える
などです。
そう言われと、最近の住宅会社の宣伝を見ると、このスマートと言葉がやたらと出てきます。
次にパッシブデザインは、「地域の気候や敷地の魅力・メリットを最大限生かしながら、太陽や風などの自然エネルギーを活用することで、快適で省エネ、ナチュナルな暮らしを実現すること」がパッシブ型の家づくりで、そのための設計手法をパッシブデザインと呼びます。
「日本の民家を、現代の躯体性能と設計技術、そして感性でより豊かにしたもの」というと分り易いと思います。
豊かで快適な暮らしを、できるだけ環境に負荷を与えず、ナチュナルに日本の地域のモノやコトを大事にし、自分の身体や手を動かすことで、楽しみながら実現する「ていねいな暮らし」を実践する生活者を対象にしています。
「パッシブデザイン」の技術は簡単ではないが、地域に根差した設計事務所、住宅会社、工務店が本領を発揮できる分野でもあります。
弊社は、もちろんパッシブデザインを推し進めています。
実は、昨年の新建ハウジングプラスワン 7月号に特集「パッシブデザイン 地域気候と自然エネルギーを味方につける家づくり」のなかで、「暖房エネルギーを次世代の1/2~1/3に抑える」と題して私の記事が掲載されました。
興味のある方は、記事を是非読んでみて下さい。
下の本の表紙をクリックすると記事に繋がります。
但し、上の二つは、はっきり二分化されるものではなく、色々な形で融合されていくことも、当然考えられます。
いずれにしても、今後はエネルギーが大きなテーマである事には、変わりはありません。
by kakizaki