今月19・20・21日と京都で新木造住宅研究協議会の総会があり参加してきました。
ついにと言うか、やはりと言うか、住宅の断熱性能は、無暖房レベルの研究へと進んできました。
新住協では、 『Q1X住宅』という表現をしています。
Q1Xは、4つのグレードになっています。
ここ酒田・鶴岡にあてはめると、
グレード1 次世代省エネ基準(国に基準)の1/3の暖房エネルギー
グレード2 次世代省エネ基準(国に基準)の1/4の暖房エネルギー
グレード3 次世代省エネ基準(国に基準)の1/6の暖房エネルギー
グレード4 次世代省エネ基準(国に基準)の1/10の暖房エネルギー
仮に36坪の大きさで計算してみると、年間の灯油の消費量は、
次世代省エネ基準 1,232リットル
グレード1 411リットル(1/3)
グレード2 308リットル(1/4)
グレード3 205リットル(1/6)
グレード4 123リットル(1/10)
一軒の家で年間の灯油の消費量が123リットルとは、ほとんど無暖房住宅と言えるのではないでしょうか。
暖房設備が不要になりますので、ちょっと寒いときは、取り付けてあるエアコンで暖房するだけで十分。
もしくは、厚いセーターを重ね着するだけでOK。
こんな住宅に一般の方が住む時代が、すぐ目の前まで来ています。
実は、このような住宅は、冬より夏対策が重要です。
冬は、少し暖房すれば良いのですが、夏は、いかに直射日光が室内に入り込まないようにするための、きちんとした対策が重要です。
やみくもに断熱性能だけをあげて、夏対策をしないと、とんでもない住宅になって暑くて住めたものでは、ありません。
このクラスの住宅になると、 『環境デザイン』という考え方が、大切になります。
ただ形がカッコイイという理由だけでは、家を設計できなくなります。
住環境を配慮しながらデザイン性を上げていく努力が重要になっていきます。
さらに、新住協では、Q1X住宅にソーラーパネルを併設し、CO2発生がマイナスの住宅にしていくことも、視野にいれています。
確か、21日(日)のニュースで、菅首相が、2020年までに、ソーラーシステムの価格を現在の1/3、2030年まで1/6にしたいと述べていました。
仮に価格が1/3になってくれると私の計算では、約6年で、設備投資がペイ出来ます。
こうなってくると、ソーラーシステムを設置する事が、がぜん現実味を帯びます。
自宅で消費するエネルギー(照明・調理などの家電、暖房、冷房など)は、自前でまかなえる住宅、すなわち私が最終的に目指したいカーボンニュートラルハウス(実質二酸化炭素を排出しない住宅)が本当に可能になってきます。
夢が夢でなくなってきたかも・・・
by kakizaki