東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科が設計する省エネルギー住宅第三弾『エコハウスプロトタイプ』が完成し、7月9日(土)に完成内覧会がありましたので行ってきました。
プロトタイプなどと余り聞きなれない単語なので解説します。
『プロトタイプとは、ある製品の原型あるいは試作品のことである。システム開発においては、実際に近いシステムイメージを試作品として提供することで、エンドユーザーの意見や要求を明確にし、開発者とユーザー間の意思の食い違いやニーズの違いなどを解消して、製品の品質改善を図るために利用される。』
すなわち昨年の3月に完成した、 『山形エコハウス』が原型でその試作住宅ということです。
確かに山形エコハウスは断熱性能が非常に良く、設備等も二酸化炭素を排出しない、むしろ創エネルギーの住宅です。
しかし、何と言ってもネックは、コストで、確か6000万円くらいは、していたと思います。(正確な価格は解りません。)
余りにも価格が高いので、そのままでは、現実性に欠けるため、実際に一般の方が建てられる価格で断熱性能の高い住宅を建築したようです。
実は、この建物は、同大学の建築・環境学科の三浦秀一准教授のご自宅だそうです。
この建物のコンセプトは、
①断熱強化による徹底した省エネ対策
②自然エネルギーの導入
③地域木材の活用
建築概要
延床面積 138.84㎡(約42坪)
構造 在来木造軸組工法2階建て
基礎 ベタ基礎
木材樹種 柱梁:杉(県産材) 土台:桧
断熱仕様 屋根:グラスウール24kg 400㎜
壁:グラスウール24kg 220㎜
基礎:ポリスチレンフォーム100㎜
窓:木製トリプルガラス(ドイツ製)(U値1.1)
Q値 1.14W/㎡・K
C値 0.51c㎡/㎡
価格 約3200万円
暖房 薪ストーブ+床下温水パネル(ガス)
給湯 ガス給湯器+太陽熱温水器
その他設備 太陽光発電
さすが、環境の専門である先生のご自宅です。
超高断熱の普及型実験住宅ですね。
コンセプト①
Q値 1.14W/㎡・Kで超高断熱住宅です。
コンセプト②
南に大きな窓を設け、冬の太陽熱を積極的に導入し、夏の直射日光を避けるために、大きな庇を設けています。
暖房には、薪ストーブ。補助的に天然ガスボイラー熱源の床下暖房。(灯油より二酸化炭素の排出量が少ない)
そして、給湯は、太陽熱温水器を利用した天然ガスボイラーです。
北の高窓から自然換気できるようにしています。
コンセプト③
構造躯体及び内外装に県産材の杉をふんだんに使用
現在の普及型住宅として、非常に参考になる建物だと思います。
是非、温熱環境のデータ取りをし、私たちにも教えて頂きたいものです。
このような本当の意味での省エネルギー住宅が一棟づつ増えることが大切だと思います。
このような住宅が当たり前に建つ時代がすぐ眼の前まできているような気がするのですが・・・
by kakizaki