スタッフ柿崎社長ブログ

ブログ

『24時間換気扇を止めてみよう』

東日本大震災で被災された多くの方にお見舞い申し上げます。

未だに、全体の被害状況が把握できず、どこまで広がるのか解りません。

ここ酒田でも3月11日から、丸一晩停電でした。

幸い、水道と、ガスが使えましたので、食事は問題なかったのですが、暖房器具が使えなくて、足に毛布を掛けて、温まっていました。

ろうそくを灯し、電気の有難さをしみじみ感じながら、静かな時間を過ごすことができました。

私にとっても、あのようなひと時を過ごしたのは、初めての経験でした。

翌日、10時半ごろ通電して、テレビを見て、びっくりです。

太平洋側が震源地で、酒田で震度5弱ですので、相当の被害があるだろうと、予想はしていましたが、それを遥かに超えるものでした。

本当に、言葉に表すことができません。

4日目に入って、平静を取り戻そうとしてはいますが、燃料不足が問題になってきています。

ガソリンや、灯油が特に少なくなってきました。

ここ酒田は、まだまだ夜は寒いので、暖房は必要です。

そこで、緊急対策として、

『24時間換気扇を止める』

事を提案したいと思います。

今の建築基準法では、室内の空気を2時間で一回以上換気することが、義務付けられています。

確かに、法はそうかもしれませんが、背に腹は代えられません。

冬室内を換気をするということは、暖かい空気をそのまま捨てているということと同じことです。

であれば、暖かい空気をいくらかでも捨てないで、暖房費を抑えようとする方法です。

この時の問題点は、

①結露が生じる可能性がある

②臭いがこもる

という事が生じます。

問題がある事を承知の上で、挑戦してみてください。

特に、結露は、カビを誘発しますので、十分気を付けて頂きたいと思います。

そして、暖房の設定温度を1度でも2度でも下げてください。

家の中でも、厚着をしましょう。

こたつは、足を温めますので、とても省エネ暖房です。

どうしても寒いときは、エアコンを付ける方法もあります。

とにかく、灯油ケチケチにして、この急場を何とか凌いでほしいものです。

この時、やってはいけないことがあります。

それは、ファンヒーターや反射式ストーブなどの室内で燃焼する暖房器は使ってはいけないということです。

当然、換気不足になりますので、ここは気を付け下さい。

燃料供給体制が元に戻りましたら、換気扇も元通りにする事は、お忘れなく。

by  kakizaki

2011年03月14日更新

太陽光発電、太陽熱温水器の最大の欠点は何?

太陽光発電や太陽熱温水器など自然を相手にする設備の最大の欠点は、何でしょう?

それは・・・

それは・・・

それは・・・

《二重設備》です

二重設備とはどういう意味でしょうか。

それは、通常の設備に、プラスαとして新たに設備投資しなければならないということです。

太陽熱温水器を設置したら石油や電気等の給湯用ボイラーが不要になるならば良いのですが、そうは問屋が卸しません。

自然相手の設備はここが大きなネックです。

普通の乗用車を一台買って、ガソリン代をいくらかでも浮かすために、ソーラーカーをもう一台購入するようなものです。

(普通人は、こんなことをせずに、燃費の良いハイブリッド車を買うと思います。

住宅では、高断熱住宅はハイブリッド車のようなものです。

よって私は、太陽光発電の設置を考える前に、建物その物の性能を上げることが先決じゃないですか?と言ってきました。)

ですから、私は、この類いの営業が来ると必ず『その設備は何年でペイ出来ますか?』と尋ねます。

もし仮に設置するするならば、一年でも早く設備費を回収し、その後は、儲かったという感覚が大切だと思っています。

私は、大学の卒業論文で太陽熱を利用した時のイニシャルコストとランニングコストの比較をしました。

その当時は、お話にならないくらい設備にお金がかかりましたし、パネル自体の性能も良くありませんでした。

あれから30年、ソーラーパネルの性能が良くなったとはいえ、まだちょっとお薦めできる状況にはなっていないと思います。

(前回のブログでも書いたように今だに設備費回収まで約17年かかります。)

しかしもう少しです。

新築住宅にはソーラーパネルが当たり前という時代が目の前まで来ていることは、間違いないでしょう。

この分野は、注視していきたいと思います。

by kakizaki

2011年02月28日更新

冬の換気扇はこまめにオン・オフ?

私の立場で、こんな事を書いたらお叱りを受けるかもしれませんが、私の自宅の換気扇は、冬の寒い間はオン・オフを頻繁にしています。

建築基準法では、居室の容積の空気を2時間で1回以上換気できる設備をすることが、義務づけられています。

基本的に24時間運転することを前提にしていると思われますが、実際の運転方法までは規定していません。

我が家は、共稼ぎですので、日中誰も居ません。(実際は、増築部分に私の両親が住んでいますが、換気システムが別々です)

誰も居ない暖かい部屋を換気するということは、単に暖かい熱を捨てているので、非常に無駄です。

上の写真は我が家の24時間換気扇の排気部分のフード廻りです。

ちょっと分かりづらいのですが、フードの下の部分の雪が熱でよく溶けています。

誰もいない部屋を換気する必要性はないので、省エネルギーの観点から(ケチとも言います)、いつも日中は換気扇を止めています。

換気扇を止めた時に問題になるとしたら下記の二点です。

窓が結露する

室内が臭う

我が家は、洗濯を夜やり翌朝には、ほとんど乾いていますので、誰もいない日中に換気する必要がありません。

夜洗濯するメリットは他にもあります。

高断熱住宅は、冬に過乾燥気味になるのが欠点です。

その解消方法として、物干しは最適です。

我が家の息子たちは、わざわざ自分の部屋に物干し持って行って就寝しています。

室内の湿度が上がり、風邪も引きにくくなります。

窓の結露は、正直時々することもあります。

しかし、それは臨機応変に換気扇の運転する時間を長くしたりしています。

我が家の換気方法は、下記のような第三種換気です。

給気口からダイレクトに外気が入ってくるので、その廻りにいると冷気を感じます。

その冷気を感じるたびに、寒い冬にわざわざこんな冷たい空気を室内にいれなきゃいけなのかとつくづく思うのです。

②の臭いについては、個人差がありますので、臭うと思ったら換気して頂くしかありません。

私の立場で、換気扇を止めることを積極的に薦めることは、できませんが、各自自己責任に於いて、やってみる価値はあると思うのですが・・・

あくまでも個人の責任でどうぞ。

by kakizaki

2011年02月08日更新

プリウス現象が住宅業界に起こるか?

1月11日FNNニュースでトヨタ「プリウス」の2010年国内販売台数が、「カローラ」の記録塗り替え歴代1位になったと報道していました。

『トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の2010年に国内で販売された台数が、「カローラ」が持つ年間記録を20年ぶりに塗り替え、歴代1位となった。
2010年に国内で販売された新車の台数は、トヨタの「プリウス」が31万5,669台に達し、「カローラ」が1990年に達成した30万0,008台の最多記録を20年ぶりに上回り、首位に立った。
エコカーの普及が進む中、プリウスは、高い燃費性能最低価格205万円という割安感が支持されたほか、最近では、エコカー補助金も追い風となり、大衆車の代名詞を「カローラ」から引き継ぐ結果となった。
一方、2位がスズキの「ワゴンR」、3位がダイハツの「タント」、4位がホンダの「フィット」、5位がダイハツの「ムーヴ」などとなっている。』

不況と言われながらも、エコカー補助金があったにせよ、これだけ国民に支持されたのは、いったい何故なのだろうか。

価格がそこそこ安かったと言う事も当然ありますが、私は、国民の『環境』に対する関心の高さ だと思っています。

環境破壊や地球温暖化といった近い将来人間の生命を脅かしかねないことに、とても憂いてるのだと思います。

私たち世代に対する影響も心配していますが、むしろ若い人たちやこれから生まれてくるであろう人たちを憂いているのではないでしょうか。

事実、私にも子供がいますので、その子供たちがどんな地球環境のもとで生活していかなければならないのか、心配しています。

上のグラフは、一世帯当たりの二酸化炭素の排出量の割合の内訳を表しています。

①自動車            28.7%

②照明・家電製品など    32.2%

③給湯             13.8%

④暖房             12.4%

これらからも1/3を占める自動車の二酸化炭素の排出量を減らすことは、非常に意味があることが解ります。

照明についても、LEDへの買い替えや、消費電力の少ない家電の開発などが進むことにより減っていくと思われます。

給湯はエコキュートなどの一見省エネ商品に見えますが、従来の電気温水器などに比べて性能が良くなっているだけで、灯油やガスに比べ二酸化炭素の排出量が少ないわけではありません。

実質ここを減らす一番の近道は、ソーラーパネルの搭載だと思います。

かつて、朝〇ソーラーという会社が強引な販売をした結果、この部門の普及は今現在でも余り進んでいません。

私自身は、費用対効果から言って、給湯のソーラーパネルを上げるのは、近い将来有望だと思っています。

但し、信頼できるメーカーがあればです。

最後は暖房です。

上のグラフをもう一度良く見てください。

暖房の隣に小さく冷房2.4%と書いてあります。

即ち、冷房ではそれほど二酸化炭素は排出していないのです。

ですから、省エネルギーとしての冷房対策は余り効果がないことがわかります。

やはり、暖房対策が重要です。

この対策に対する答えは、住宅の高断熱化です。

断熱性のレベルを上げることが、なにより大切です。

地球環境を憂いてる人は、いつか必ず住宅の燃費』が気になると思います。

こうなってくると、住宅は燃費で選ぶ時代になる可能性も・・・

TNP(低燃費)〇〇ℓ/㎡の家

なんて宣伝する住宅会社が現れるかも・・・

そんなに遠くない将来、プリウス現象が、住宅業界にも起こるような気がするのは私だけでしょうか?

by kakizaki

2011年01月13日更新

『省エネ基準』いよいよ義務化へ

一日の情報の中で、『省エネ』という言葉は、聞かない日がないと言うくらい、当たり前な言葉です。

しかし、未だに、住宅業界に於いて、国で定めた『次世代省エネルギー基準』は、義務化になっていません

信じられますか?

この現状を・・・

実態としては、新築住宅の約6割は、今現在でも普通のスカスカ住宅が建設され続いています。

どこかおかしいぞ。日本!

ようやく、11月12日に国土交通省と経済産業省が、

「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」で、省エネ基準義務化に向けた方向性の骨子案を示しました。

開始時期に関して具体的な言及はありませんでしたが、早期の対応が必要との考えを示しました。

大規模建築物から段階的に義務化を進め、2020年までに全ての新築住宅・建築物に義務化する方針だそうです。

実施に際しては、制度の周知徹底や工務店の技術向上などに時間がかかるため、一定の期間をおく考えを示しています。

断熱している住宅がある一定以上にあがれば、 「5~6年以内の義務化もありうる」との事です。

いよいよ、住宅の高断熱化の義務化が現実味を帯びてきました。

実は、建築士のなかには、建物の高断熱化に反対している人もいます。

しかし、この流れは、逆戻りすることは、あり得ません。

私は、一日も早く建物の断熱の義務化をするべきだと思っています。

国民の財産を守るためにも・・・(少々偉そうに)

by kakizaki

2010年11月22日更新

建てるならエコ住宅

 

私のブログでも、何回か紹介しましたが、今年の三月に、山形エコハウスがオープンしました。

山形エコハウスは、山形県が環境省の補助金を受け、東北芸術工科大学と連携して建設したモデルハウスです。

①木で家を造る

②省エネルギー化する

③自然エネルギーを使う

をコンセプトに、低炭素社会の住宅の未来形を追及しています。

県地球温暖化防止活動推進センターは、10月27日から、「地球にやさしいエコハウスとはどのようなものか」といったテーマや、間伐などの体験を通じて環境への理解を深めるために、講座を開きます。

講座は、5回シリーズで、受講は無料です。

問い合わせ 023-679-3340

今後の予定

10月27日  研修会・見学会 「エコハウスのデザインと性能」(午前11時、山形エコハウス)

11月27日  体験講座「エコ住宅の森林利用と間伐体験」(午前9時、山形市・悠創館)

12月15日  研修会・見学会「普及版エコハウスの設計」(午前11時、山形エコハウス)

1月15日   研修会・見学会「パッシブハウスはここがすごい!」(午後2時、山形エコハウス)

2月19日   研修会・見学会「自然エネルギーの基礎と住宅での活用」(午後2時、山形エコハウス)

興味のある方は、是非参加してみてはどうでしょうか。

私は、まだ足が完全に治ってなく車の運転ができません。

今月の講座は、ちょっと参加できそうもないようです。

残念です。

by kakizaki

2010年10月23日更新

100ミリ付加断熱が当り前に・・・

5月21日、22日新木造住宅技術研究協議会の総会に出席してきました。

鎌田先生の基調講演があり、森みわさんが提唱している《パシッブハウスの話》も議題にあがりました。

世界の家造りの流れは、省エネルギーに動いてることを、新めて確信しました。

この流れは、今後益々加速されると思います。

その中で特に注目したのが、壁の100mm付加断熱です。

今までは、50mm付加断熱をやってきましたが、これからは、その倍です。

これから、着工するS邸(約60坪)でシュミレーションしてみると、

 50mm付加断熱の場合   Q値 1.12    年間灯油消費量 577リットル

100mm付加断熱の場合   Q値 1.03    年間灯油消費量 484リットル

と、年間93リットル節約できます。

20年間で、93リットル×60円×20年=111600円になります。

恐らく、50mmから100mmに変更した際の材料代位の差額に匹敵すると思われます。

これ位でしたら断然100mmですね。

ここで気がついたのですが、S邸のQ値が、1.03とは、何故かくやしい。

何とか、1.0を切れないものか。

ここまできたら、是が非でも1.0を切ってやる。

名実共に、Q1.0住宅になるように・・・

by kakizaki

2010年06月05日更新

実質年間暖房費調査結果!!!

弊社で新築して頂いたお施主様に、実際の暖房の燃料の使用量の調査をお願いしております。

二年前に建築して頂いたお施主様のこの冬の間のすばらしい結果がでました。

床面積は、34.5坪

Q値は、1.75

年間灯油予想消費量は、728ℓ

ですが、実際の使用量は、なんと548ℓです。

(灯油代は仮に60円/ℓとして32880円/年。安いか高いか?)

co2換算すると1386kgとなります。

計画より180ℓ(455kg)も少ないことになります。

これは、かなり脅威的な数字です。

このお施主様は、実際の室温も記入しているので、調べてみると、1階は、18度前後、2階は16度前後とちょっと低めですが、室内全体が均一ですので、極端な寒さはないそうです。

どうしてこのように少ない消費量で済んだのか尋ねてみますと、

①室内設定温度が低めである

②ボイラの設定温度を時期により調整し、ボイラの燃焼時間を少なくする

③データ取りをすることによってこまめに調整をする(日中暖かいときは、ボイラを止めるなど)

一番大きな理由は、やはりデータ取りすることにより、無駄な暖房は、減らそうという意識が働いたからだそうです。

少々、イレギュラーな使い方をしても、それぞれのお施主様が色々工夫しながら、省エネルギー取り組むことは、非常に大切なことだです。

このように数値目標があると、結構省エネルギーに取り組み易いと思います。

それにしても、たいしたもんですね。

ところで、我が家は・・・ム?

by kakizaki

2010年05月14日更新

スマートメーター取り付け義務化?

昨年の11月2日のブログにスマートグリッドについて書きました。

そして5月10日日本テレビNEWS ZEROという番組で、櫻井翔イチメンコーナーで、スマートグリッド構想に必要なスマートメーターが私たちの住宅全てに設置される可能性のあることを報道していました。

電力は大量に作り置きすることはできないので、電気利用が過度に集中すると、発電容量が足りなくなって供給がストップするという事態が起こらないように常に供給過剰に電力を提供しています。

そして発電施設はピーク時にあわせて設備されているため、ピークと平常時の差が大きければ大きいほど、ピーク時以外には利用されない無駄な設備をしています。

電力網とIT技術を組み合わせることで、双方向の情報のやりとりをし、発電量を平準化でき、無駄な電力を供給する必要もなくなり、より効率的な電力利用を実現することが可能になります。

このようなシステムが、スマートグリッド(賢い電力網)です。

上の図のように、家庭のスマートメーターで各家庭の電気エネルギー利用状況をリアルタイムで把握することにより、電力事業者は、電気の供給量を調整できます。

こうなってくると、どの家庭がどのぐらいの電気を使っているかが直ぐにわかりますし、各家庭でもチェックできます。

これは、非常に良いことです。

今後、CO2削減のために電気の使用量を抑えていかなければなりません。

私たちは、生活で消費をしている『エネルギーの見える化』を益々推し進めていかなければなりません。

そして、本当の意味の省エネルギーを実現していかなければならないのです。

時代はどんどん変わりますね。

by kakizaki

2010年04月14日更新

日射遮へいの仕方

「カーボンニュートラルハウス」のように断熱性能が良い住宅では、冬場の寒さより、夏場の日射の遮り方のほうが重要になります。

日射遮蔽の基本となるのが、庇の出幅の寸法です。

上の図からも解る様に0.3h以上が目安です。

山形エコハウスは1.5m程軒先を出してしました。

h高さが約4mぐらいありそうですので

0.3×4m=1.2mとして余裕を見て1.5mの軒の出にしたのではないかと思われます。

上の図は、写真の断面図とは合いませんが、日射の侵入のイメージは解ると思います。

普通の住宅の軒先は、60cmぐらいですので、夏の暑い日差しが部屋の中に侵入します。

高断熱住宅の場合は、日中の日差しが侵入すると、なかなか外部へ排出しません。

そこで下の図ように棟の一番高い所に高窓を設けて、室内の上下の温度差によって空気の流れをつくることが重要です。

日射遮蔽の仕方は、一般住宅では、主に下の図ような方法がありますが、遮蔽部材の位置は、建物の内側に取り付けるより、外部に設置したほうが、効果が上がります。

日射が建物内部に侵入してから対処するより、侵入しないように対処したほうが、効果があることは、感覚的にも解りますのね。

建物の外によしずやすだれを設置する場合は、風が吹くと倒れたり、外れたりするので注意が必要です。

これから少しずつ暑くなっていきますのでご参考に。

by kakizaki

2010年04月12日更新