スタッフ柿崎社長ブログ

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100ミリ付加断熱が当り前に・・・

5月21日、22日新木造住宅技術研究協議会の総会に出席してきました。

鎌田先生の基調講演があり、森みわさんが提唱している《パシッブハウスの話》も議題にあがりました。

世界の家造りの流れは、省エネルギーに動いてることを、新めて確信しました。

この流れは、今後益々加速されると思います。

その中で特に注目したのが、壁の100mm付加断熱です。

今までは、50mm付加断熱をやってきましたが、これからは、その倍です。

これから、着工するS邸(約60坪)でシュミレーションしてみると、

 50mm付加断熱の場合   Q値 1.12    年間灯油消費量 577リットル

100mm付加断熱の場合   Q値 1.03    年間灯油消費量 484リットル

と、年間93リットル節約できます。

20年間で、93リットル×60円×20年=111600円になります。

恐らく、50mmから100mmに変更した際の材料代位の差額に匹敵すると思われます。

これ位でしたら断然100mmですね。

ここで気がついたのですが、S邸のQ値が、1.03とは、何故かくやしい。

何とか、1.0を切れないものか。

ここまできたら、是が非でも1.0を切ってやる。

名実共に、Q1.0住宅になるように・・・

by kakizaki

2010年06月05日更新

リフォームし易い家とは・・・

最近は、中古物件を購入して、リフォームをする人が増えているそうです。

中古物件を見るときに気をつけなければいけないのが、その建物の構造が何でできているかです。

建物は、大きく三種類に分けられます。

①鉄筋コンクリート造

②鉄骨造

③木造

リフォームする時にこれが結構大きな問題です。

結論から言うと、

①と②は、構造体の変更が伴うリフォームは、ほとんど無理と考えたほうがよいと思います。

仮に、するにしても、かなりのコストアップは、避けられません。

以前、ある大手メーカー(軽量鉄骨造)の増築をお願いされたのですが、お断りしました。

使われている部材がすべて、メーカー仕様で、我々には、手を出すことができませんでした。

その点③の木造は、容易に構造体変更もできます。

しかし、木造住宅も二種類ありますので、ご注意ください。

①軸組工法(在来工法)

②枠組工法(ツーバイフォー工法)

通常の工務店は、①を採用しています。

②は、北米で生まれた工法で、柱・梁がなく、壁で構造体を造っていまので、現在ある壁の変更は、慎重にしなければなりません。

しかし、軸組工法は、柱・梁がありますので、比較的自由に間取り変更も可能です。

上の写真は、百年以上前に建てられた木造建築です。

柱・梁のある軸組工法ですので、容易にリフォームできます。

これからは、スクラップ・アンド・ビルドからストック社会へと変わりつつあります。

長期に渡って利用していきやすい建物は、なんといっても、木造軸組工法(在来工法)だと、私は、思っています。

中古物件をお探しの方は、十分ご注意を・・・

by kakizaki

2010年05月20日更新

実質年間暖房費調査結果!!!

弊社で新築して頂いたお施主様に、実際の暖房の燃料の使用量の調査をお願いしております。

二年前に建築して頂いたお施主様のこの冬の間のすばらしい結果がでました。

床面積は、34.5坪

Q値は、1.75

年間灯油予想消費量は、728ℓ

ですが、実際の使用量は、なんと548ℓです。

(灯油代は仮に60円/ℓとして32880円/年。安いか高いか?)

co2換算すると1386kgとなります。

計画より180ℓ(455kg)も少ないことになります。

これは、かなり脅威的な数字です。

このお施主様は、実際の室温も記入しているので、調べてみると、1階は、18度前後、2階は16度前後とちょっと低めですが、室内全体が均一ですので、極端な寒さはないそうです。

どうしてこのように少ない消費量で済んだのか尋ねてみますと、

①室内設定温度が低めである

②ボイラの設定温度を時期により調整し、ボイラの燃焼時間を少なくする

③データ取りをすることによってこまめに調整をする(日中暖かいときは、ボイラを止めるなど)

一番大きな理由は、やはりデータ取りすることにより、無駄な暖房は、減らそうという意識が働いたからだそうです。

少々、イレギュラーな使い方をしても、それぞれのお施主様が色々工夫しながら、省エネルギー取り組むことは、非常に大切なことだです。

このように数値目標があると、結構省エネルギーに取り組み易いと思います。

それにしても、たいしたもんですね。

ところで、我が家は・・・ム?

by kakizaki

2010年05月14日更新

省エネ基準の適合義務化へのステップ

環境省のロードマップで示された次世代省エネ基準義務化までのフローが示されました。

ステップ1(2012年前後?)からステップ5(2020年まで)までの構成になっています。

日本政府は、2020年までに温暖化ガスを90年比で25%削減することを目標に揚げました。

仮に、上記の予定で実行されても、25%削減は、無理だと思います。

なぜならば、日本では、局所暖房が主流で、寒冷地のヨーロッパと比べてエネルギー消費量が大きくないため、断熱化を進めても暖房コストを大きく削減できません。

むしろ次世代省エネ基準レベルで、局所暖房から全館暖房へ切り変えると、以前よりも暖房費が増加する可能性が高いと言えます。

ということは、エネルギー消費量は、むしろ増えることになります。

この矛盾は、いったい何なんでしょうか。

本当に、温暖化対策を考えるならば、新住協で提唱しているQ1(次世代省エネ基準の1/2~1/3以下の消費エネルギー)住宅や森みわさんがいう『パッシブハウス』にしなければなりません。

ヨーロッパでは、もっと厳しい方向に進んでいます。

なぜ日本は、見当違いのほうに行ってしまうのでしょうか。

住宅の高断熱化の義務化を進めるのは良いのですが、レベルがあまりにも低過ぎます

というより、今の基準では、何もしないほうがまだましです。

日本丸は、いったいどこに行ってしまうのでしょうか・・・

by kakizaki

2010年05月07日更新

エコキュートの騒音問題

最近、オール電化住宅が増えるにつれて、 『エコキュートの騒音』の問題を聞くようになりました。

インターネット上でも、ものすごい数の投稿が寄せられています。

被害に実際にあっている方の同調する意見もあれば、クレーマーだと非難する意見など、本当に色々な意見が載っています。

実際、市建築課に確認申請を提出すると、最近は、エコキュートを設置するかどうかを尋ねられます。

そして、設置する場合は、できる限り、隣地境界線よりできるだけ離すように、指導されます。

ということは、市側は、詳しくは言ってくれませんが、実際にクレームがあるのでしょう。

最近は、ヒートポンプという言葉が、頻繁に色々な場面にでるようになり、多くの方が原理を理解しているようです。

ヒートポンプは、コンプレッサーを稼動させますので、必ず振動・騒音を発生します。

ようするに、通常みなさんが使っているエアコンの室外機の振動・騒音とほぼ同じです。

そして、通常エコキュートは、深夜電力を利用しますので、夜寝静まっている環境で稼動します。

その結果どういう問題が発生するかは、私みたいに、建築設備を専門にしてきた人間にとっては、すぐにわかります。

製造しているメーカー、取り分け技術を研究している人は、最初から、騒音問題が発生することは、百も承知です。

問題が起こらない訳がないのです。

起こるべくして起こっている問題なのです。

しかし、国からの指導もあり、電気温水器が、あまりにも二酸化炭素の排出量が多いため、ヒートポンプに切り替えるように力をいれるしかないのです。

電力会社は、オール電化ありきで進んでいますので、今更、あと戻りできないのでしょうね。

『電力会社の営業戦略の中で、一般の住民が、いがみ合っている』

ように思えて心が痛みます。

もう少し、環境にも優しく人にも優しいものを宣伝してほしいものです。

by kakizaki

2010年04月27日更新

ついに住宅の高断熱化が義務化へ?

(親建ハウジング 平成22年4月10日)

環境省の試案ではあるが、

『2020年までに省エネ基準義務化』

がまとめられています。

 

二酸化炭素25%削減に向けた環境省のイメージ

1 省エネ基準を段階別に強化

2 省エネ基準を義務化

3 環境性能基準制度を導入する

4 税制優遇などのインセンティブを強化する

 

現段階では、環境大臣の試案だそうですが、今年6月をめどに策定が進められている「新経済成長戦略」と併せて、今後の日本の環境政策の方針を示すということです。

省エネルギー基準を義務化する動きは、世界からすれば当然というか、むしろ遅いような気がします

そして、その基準も恐らくあの不十分な『次世代省エネルギー基準』が基になると思われます。

世界のパッシブハウス基準からすれば、約1/3程度の性能ですので、その基準の低さがわかります。

 ただ、仮に省エネ基準が義務化されれば、それは、それで日本の建築業界にとっては、大きな変換期と言えると思いますが、一般の人から見れば、

『えーーーーーーーーー。今まで義務化でなかったのーーーーーー』

と思うのではないでしょうか。

そうなんです。実は、断熱工事は、義務化ではなのです。

 

先日、建築仲間とちょっとお酒を飲んだのですが、未だに高断熱住宅なんて必要 なんだろうかという建築士もいました。

このギャップは、いったい何なんだろうか。

んんんんんんん・・・・・・・

解らない・・・・・

早く義務化したほうが良いのでは・・・・

by kakizaki

2010年04月26日更新

スマートメーター取り付け義務化?

昨年の11月2日のブログにスマートグリッドについて書きました。

そして5月10日日本テレビNEWS ZEROという番組で、櫻井翔イチメンコーナーで、スマートグリッド構想に必要なスマートメーターが私たちの住宅全てに設置される可能性のあることを報道していました。

電力は大量に作り置きすることはできないので、電気利用が過度に集中すると、発電容量が足りなくなって供給がストップするという事態が起こらないように常に供給過剰に電力を提供しています。

そして発電施設はピーク時にあわせて設備されているため、ピークと平常時の差が大きければ大きいほど、ピーク時以外には利用されない無駄な設備をしています。

電力網とIT技術を組み合わせることで、双方向の情報のやりとりをし、発電量を平準化でき、無駄な電力を供給する必要もなくなり、より効率的な電力利用を実現することが可能になります。

このようなシステムが、スマートグリッド(賢い電力網)です。

上の図のように、家庭のスマートメーターで各家庭の電気エネルギー利用状況をリアルタイムで把握することにより、電力事業者は、電気の供給量を調整できます。

こうなってくると、どの家庭がどのぐらいの電気を使っているかが直ぐにわかりますし、各家庭でもチェックできます。

これは、非常に良いことです。

今後、CO2削減のために電気の使用量を抑えていかなければなりません。

私たちは、生活で消費をしている『エネルギーの見える化』を益々推し進めていかなければなりません。

そして、本当の意味の省エネルギーを実現していかなければならないのです。

時代はどんどん変わりますね。

by kakizaki

2010年04月14日更新

日射遮へいの仕方

「カーボンニュートラルハウス」のように断熱性能が良い住宅では、冬場の寒さより、夏場の日射の遮り方のほうが重要になります。

日射遮蔽の基本となるのが、庇の出幅の寸法です。

上の図からも解る様に0.3h以上が目安です。

山形エコハウスは1.5m程軒先を出してしました。

h高さが約4mぐらいありそうですので

0.3×4m=1.2mとして余裕を見て1.5mの軒の出にしたのではないかと思われます。

上の図は、写真の断面図とは合いませんが、日射の侵入のイメージは解ると思います。

普通の住宅の軒先は、60cmぐらいですので、夏の暑い日差しが部屋の中に侵入します。

高断熱住宅の場合は、日中の日差しが侵入すると、なかなか外部へ排出しません。

そこで下の図ように棟の一番高い所に高窓を設けて、室内の上下の温度差によって空気の流れをつくることが重要です。

日射遮蔽の仕方は、一般住宅では、主に下の図ような方法がありますが、遮蔽部材の位置は、建物の内側に取り付けるより、外部に設置したほうが、効果が上がります。

日射が建物内部に侵入してから対処するより、侵入しないように対処したほうが、効果があることは、感覚的にも解りますのね。

建物の外によしずやすだれを設置する場合は、風が吹くと倒れたり、外れたりするので注意が必要です。

これから少しずつ暑くなっていきますのでご参考に。

by kakizaki

2010年04月12日更新

山形エコハウス完成説明会に参加

3月28日(日)山形エコハウスの完成説明会に出席してきました。

建物の内容については、3月1日山形エコハウス見学の記事を読んでください。

建物の配置は、真南に向けるように工夫し、南側に大きな窓の開口を取って冬の太陽熱を有効に取り入れようとしています。

南面の屋根の面積を大きくし、上には、ソーラーパネルを載せています。

大きい方が、太陽光発電(5kw)、小さいほうが、太陽熱温水器(6㎡)

手前の煙突が、ペレットボイラー用の煙突です。

夏期の熱の過剰進入コントロールするために、南面の庇の出を1.5mとしています。

内部の様子

できるだけ室内の温度差を生じさせないように、間仕切りを取り払い、一つの空間になるようにしています。

しかし、実際の生活ではどうなんでしょうね・・・

家族というども、ある程度のプライバシーは必要では。

手前が暖房・給湯兼用のエタ社(オーストリア)のペレットボイラー

奥の木箱がペレットを入れる容器

暖房・給湯兼用温水貯湯タンク(容量650リットル)

手前のビニール袋に入っているのが燃料のペレットです。

今回の目玉設備のペレットボイラーの納入業者のエタ社(オーストリア)からわざわざ説明に来ていました。

オーストリアでは、ペレットボイラーの需要が順調に伸びていて、電気ボイラーは、禁止されているそうです。

ペレットストーブが、上の図からも他の器具に比べCO2発生量が極端に少なく、環境に良いことが解ります。

但し、日本では他の燃料に比べ価格がまだちょっと高いのが難点です。

今後もっと大量生産されてくれば、もっと下がると思われます。

真ん中で説明しているのが、東北芸術工科大学・環境デザイン学科 准教授 三浦秀一先生です。

先生の説明でもありましたが、

木の住宅が一番省エネである。

そして、ここ地元山形県には、その資源が非常に多くあるが、殆ど利用されていない。

森の木の間引きをし、間伐材を燃料にすることにより、地元の雇用も増え環境にも優しい社会ができる。

そういう意味に於いては、東北地方は、有望な資源地域である。』

私たち家づくりに携わるものももっと山形の木材をもっと知り、できるだけ、地元産を利用することを検討する必要があると思います。

そして、林業産業も、住宅に使えるようにもっと乾燥材を提供できる仕組みづくりを考えて頂きたいと思います。

そして、廃材などは、ペレットへ。

そういう意味においては、ここ山形は、資源の宝庫といえるでしょう。

山形県に生まれてよかった・・・

by kakizaki

2010年04月06日更新

山形エコハウス『シンポジウム』に参加

3月25日(木)に東北芸術工科大学で山形エコハウスの「エコハウスシンポジウム」あり、参加してきました。

そこには、何と、先日このブログでも紹介した本の『世界基準の「いい家を建てる」』の作者の森みわ さんもパネリストとして参加されていました。

実は、森みわさんは、東北芸術工科大学客員教授だそうです。

森さんの話によると、

2009年11月に行われたEU議会では、2021年以降に新築されるオフィスや住宅について、CO2排出ゼロ(カーボンニュートラル)を義務付けることが決定しました。

ちなみに森さんがつくった鎌倉のパッシブハウスでさえ、ゼロカーボンは実現していないそうです。

一方で日本の次世代省エネ基準は、一番優れたものでもその3分の1程度です。

ということで、今回の山形のエコハウス(カーボンニュートラルハウス)は、今後世界が標準としている住宅と考えていいと思います。

EU諸国が今後10年間で、山形エコハウスのような住宅しか造ってはいけないという、非常に大胆なことが決定したということは、今後の日本の住宅の造り方も、当然影響すると思われます。

諸外国からの圧力は高まり、日本もCO2削減の法整備が進むと思われます。

これから、建築業界は、激変していくことは、間違いありません。

それも、ものすごいスピードで・・・・

by kakizaki

2010年04月05日更新