『家造り援護会(イエンゴ)』の総会が6月9・10日があり、 『地の家』復興会議を立ち上げました。
私たちは、大手ハウスメーカーが販売している『ビジネスの家』に対抗して『地の家』を薦める運動を始めました。
そこで『地の家』とは
「地の家」。
初めて目にされた方も多いと思いますが、2009年2月に刊行された「地の家のすすめ」(家づくり援護会・編)で初めて紹介された言葉です。
「地酒」「地舞」「地鳥」など地域の風土や暮らし、文化の中で培われ定着した「地のもの」を指す言葉はすでにお馴染みと思います。
「地の家」という言葉のイメージもそれに連なるもので、中世以来継承されてきた匠文化の流れの中で地域に根付き、地域の環境や資源、人々の暮らしや文化との調和を保ちながら造り出される家の容とそれを支える価値観、技術、道徳を包含する言葉として用いられています。
したがって、地域で造られる家がすべて「地の家」というわけではありません。次に「地の家」と呼ばれる家づくりの在り方に共通する特徴を整理してみました。
なお、「地の家」は商標登録されております。登録者である家づくり援護会の承認なく、勝手に「地の家」を自称し公表することはできませんのでご注意ください。
『地の家』の特徴
1.木へのこだわり
森林資源を多く産出し、高温多湿の気候風土からわが国では木造建築が発達しました。
匠に要求される技術は優れた木を選び、それを活かしてしっかり組み建てる技術でした。
道具や工法の発達とあいまってわが国の木造建築は世界に類を見ない発達を遂げています。
「地の家」を担う現代の匠達も、ふるさとの山を元気にする運動や伝統技術の伝承など木に対する強いこだわりを感じ取ることができます。
2.風土との調和
南北に長く、中央を山脈が縦断する国土は複雑な気候風土を形成しています。
同県でも海側と山側ではまったく異なる気候特徴を持つことが珍しくありません。
「地の家」には厳しく変化する自然環境から住む人や建物を守るための工夫が詰まっています。
地の気候を知り尽くした匠たちの知恵は多様な「地の家」の容を生み出しています。
3.地域社会との共生
“地域が元気にならなければ地の家も栄えない。
”地の匠たちがよく使う言葉です。
昔から家づくりは地域の産業生態系の中枢として機能してきました。
職人集団をはじめ、地域の工芸や特産品など家づくりを支える裾野は広く、地場産業の発達と深く結び付いてきました。
現代においても地場の特産品や伝統工芸を活用して地域色豊かな「地の家」が造り出されています。
4.施主への献身
“お客様には絶対嘘があってはならない”“家がある限り面倒をみる。”「地の家」の匠達の口癖です。
これは施主によって生かされてきた匠の倫理観といえます。
施主がいるから自分も生きられる、その思いが技を磨き、弟子を育て、創意工夫へとつながっていきます。
金儲けのためではなく施主に喜んでもらいたいから努力をする。
施主への献身は媚でもへつらいでもなく「地の家」の人達の真情なのです。
以上『地の家』復興会議の内容の抜粋です。
詳しくは、
にアクセスしてください。
会議では、地の家を実践するために『住み手本位の家づくり』を研究し始めました。
実は、この会議で弊社の失敗談を発表しました。
簡単に『住み手本位の家づくり』といっても、なかなかいい応えがでできません。
これからの大きな課題です。
by kakizaki