山形新聞で、『うるおいライティング 光は使いこなすも』というテーマで、ライティングデザイナーの東海林弘靖さんが連載寄稿しています。
10月28日の内容が非常に共感しましたので、ちょっと紹介したいと思います。
以下記事内容
私が大学生のころ、先輩が住んでいた古くて小さな安アパートを訪れ、光の美しさに感動したことがありました。
すっきりとした室内に、温かみのある白熱電球の光がほんのりとともっていたのです。
まるで欧州の小さな町の居心地のいいホテルの一室のようでした。
築30年は経つとおぼしき古いアパートの部屋を、どうやってここまで素敵に仕立てあげることができるのか?
私は先輩に詰め寄るように質問をあびせたのですが、先輩の答えは至ってシンプル。
「白くすればいいのさ」というのです。
よく見れば、普通なら木の柱や梁(はり)、鴨居(かもい)が茶色く見えるはずなのに、彼は、それら木の部分を白くて固い紙で丁寧に覆っていました。
また天井も、白く塗ったベニヤ板で隠すなど、とにかく徹底的に真っ白い部屋を、手作りで生み出したのです。
一方、真っ黒い部屋を体験したことがあります。
照明器具から出た光を計測するため、床も壁も天井も真っ黒く染め上げた照明会社の実験室でした。
この部屋ではどんなに明かい照明器具を点灯させても、感覚的には全く明るく感じなかったのです。
内装の色の違いは明るさの違いに直結することを、私はこれらの事例を通して学びました。
このことを暮らしに応用すれば、省エネをしながら明るい環境を楽しむことが出来ます。
まず部屋の内装を白くしてみましょう。
白い壁や天井が光を効率よく反射させるので、わずかな光でもとても明るく感じます。
さらに光の微妙な明暗のグラデーションや美しい陰影を楽しむことができます。
照明の効果は照明器具が発する光と内装との相乗効果によるもの。
照明を楽しむ生活のためには、真っ白い部屋と温かな光の組み合わせを是非お勧めします。
という内容です。
東海林さんも言っているように、照明ももちろん大切ですが、内装がいかにポイントであるかです。
それも至って簡単。
答えは、白。
そんなことを、頭の中に入れながら、お部屋のお色直しをしては、いかがでしょうか。
同じ部屋でも、ずいぶん変わった雰囲気の部屋に変わることができます。
by kakizaki