9月17日に日経ホームビルダーで、兼松日産農林さんが新しい木杭の工法『環境パイル』を開発した記事を載せました。
以前にもブログの中で何回か意見を述べているのですが、セメント系を使っての地盤改良をすることに対して、私は、少なからず抵抗があります。
セメントという産業廃棄物(言ってみれば、コンクリートガラと同じです)を土地の深くに注入することが何らかの環境汚染に繋がるような気がしてならないのです。(セメントは強アルカリ性です。)
そして、この産業廃棄物は、地中深いため、撤去することは、まず不可能です。
しかし、これをやらないと、地盤の保証を受けることが出来ないので、ここ1~2年は仕方なく採用していました。
(それ以前は、保証はありませんが、通常の松杭を打っていました。)
しかし、ようやく、兼松日産農林さんが新しく、すばらしい工法を開発してくれました。
木杭の薬剤処理について、問題がないかというと何ともいえませんが、これで耐久性を持たせているのでこの処理はどうしようもありません。
コンクリートを地下深くまで注入することを思えば、環境に対する負荷は、数段に軽減できます。
この松杭は、将来引き抜くことも可能です。(仮に地中にあったとしても、材質は木ですので、もともと自然界にあるものです。)
今回の鶴岡の現場は造成地で、地盤改良が必要であったため、早速この『環境パイル』を採用することにしました。
環境パイルの説明については、兼松日産農林さんのHPを参照してください。
材料は唐松で長さは、6mの最大のものを使用
工場からの保証刻印が押されています。
径は140㎜
パドラという重機を使って作業。
振動が少ないのが特徴です。
杭を打つ場所によって杭の止まる高さが違います。
一本の杭には、18トンの荷重を掛けています。(設計では8トンでOKだそうです)
杭の高さを揃えるために、チェーンソーでカット
切り口を防虫処理をします。
工期は2日間(11月22・23日)で、50本の杭を打ちました。
私は、この工法は、是非今後も続けていきたいと思っています。
しかし、問題点もあります。
①杭の長さが最大6mまで
それ以上は、従来の工法しかありませんので、何とか6m以上にも対応できるように研究開発をして頂きたい。
②価格が高い
研究費にお金がかかったのは解りますが、この工法をどんどん採用して頂いて、せめて、柱状改良ぐらいの価格でできるように努力して頂きたい。
願っているとほしいものが見つかるものですね。
また、ほんの少し理想の家づくりに近づいたような気がします。
このように弊社の家づくりは、『進化』 し続けて行きます。
by kakizaki