全国各地に沢山の住宅会社があり、それぞれの会社や大工さんが色々なことを工夫し、住宅の工法や素材など実に多くの事にこだわって家づくりをしています。
弊社も、当然、ご多忙に漏れず色々な事に、こだわっています。
こだわっているところは、非常に多くあるのですが、そのなかでも、特に、こだわっていこうと、会社で力をいれているのが『デザイン』です。
多くの工務店は、建築素材そのものにこだわっている場合が多いようです。
例えば、木・無垢材・地元産木材・珪藻土壁・漆喰壁・和紙・自然塗料・・・・などなど実に様々です。
これは、決して悪いことではありませんが、余りこだわり過ぎると、その素材から離れることが出来なくなり、毎回同じようなテイストの住宅になり易くなります。
造り手としては、自分たちがこだわった素材を使っているのでそれなりに満足しているのでしょうが、お客様から飽きられてしまうという危険性が隠れています。
実は、私は、素材そのものには、余りこだわらないようにしています。
それじゃー一体何にこだわるのでしょうか。
建築の化粧素材は、そのものを使うことに大きな意味があるのではなく、『その素材がもつ特性をいかに引き出し、その素材を上手く使い、建物全体としてデザインしていく』ことが大切だと考えています。
ですから、言葉を変えると、私は、素材そのものを使うことにこだわるのではなく、『その素材をいかに使いこなし、デザインするかを考えること』 にこだわって行きたいと思っています。
よくビニールクロスがダメで、自然素材の塗り壁が良いと、こだわっている住宅会社もありますが、私は、ビニールクロスは、ビニールクロスなりの良さがありますし、塗り壁は、塗り壁の良さがあると思っています。
私は、その素材を使うか使わないかという問題ではなく、いかに、その素材を使って面白いものが出来ないかを常に考えるようにしています。
この考えるという行為が、新しいデザインを生む源になっていくのだと信じています。
そうすることによって、自分たちのデザインの幅も広がっていきます。
あまり、素材そのものにこだらわず、自由な発想ができるように、心の余裕をもつことが大切なような気がします。
その素材のもつ特性を上手く使ったデザインが出来上がったときの満足感は、何ともいえないものがありますね。
パンチングメタルを使った照明器具
by kakizaki