スタッフ柿崎社長ブログ

2012年8月

ヒートポンプで暖房するのは?

前回、ヒートポンプの原理を説明しました。

ヒートポンプは、自然の流れに逆らって運転させています。

ヒートポンプは自然界での熱の移動現象に逆らって、熱を低温部から高温部へ移動させる装置です。

ちょうど揚水ポンプが水を低所から高所へくみ上げることに似ています。

熱をくみ上げるという意味からヒートポンプと呼ばれています。

つまりヒートポンプは動力などのエネルギーを利用して、低温部の熱をくみ上げ、より高温の媒体に熱を移動させる装置のことをいうのです。

通常冷房は、夏の外気温30~35度を28度に下げる程度ですからせいぜい2~7度の温度差です。

それも、朝晩は冷房なしでも過ごせることが結構あります。

しかし、暖房は、外気温0~7度を20度まで上げなければならないので、13~20度程の差がでてきます。

そして何と言っても、運転時間と期間の違いです。

ここ山形県辺りでは、冷房は1か月程度ですが、暖房は11月~4月の約6か月は、覚悟をしなければなりません。

各家庭での、年間の消費エネルギーのグラフから見ても良く分かります。

冷房はせいぜい、暖房エネルギーの1/10程度なのです。

確かにヒートポンプは、冷房の逆運転をすれば暖房にも使えます。

しかし、外気温との温度差があればあるほど前回説明したように無理な運転をしているのです。

このようなことからも設備はやはり暖房を中心に考え、暖房は何かを燃やす単純なものがいいと思うのです。

そして出来る限り少ない燃料で済むように建物の性能を良くしたいものです。

そもそも電気というエネルギーは、家庭で使えるまでに、上の図からも分かるように、約63%のエネルギーを捨てているのです。

現在の電気のしくみはこれほど非効率なのです。

ですから電気は大切に使わなければいけないのです。

私は、電気でしかできないことだけを電気でやり、暖房など他の方法で出来るものは別の方法でやるのがいいと単純に思うのですが・・・ 

by kakizaki

2012年08月27日更新