酒田市A様邸「広いリビングで思い思いに過ごす家」
ご主人=主 奥さま=奥 インタビュアー:柿崎=柿
【お客様】A様
【住所】山形県酒田市
【引渡し】2024年4月
【土地面積】101坪
【延床面積】53.8坪
【熱損失係数Q値】0.88[W/㎡K]
【インタビュー】2025年3月29日
◆“ちょっと変わった会社”だからこそ信頼できる
柿:コスモホームへ最初にご連絡いただいたのは、“住宅設備こっそり比較ツアー”でしたね。私たちを知ったきっかけを教えてください。
主:最初は何の知識もなく、展示場をいくつか回りました。その時はデザインを重点的に見ましたね。でもその時は、一度家づくりをやめました。
その後、再び家づくりを考え始めて、住宅の性能の重要性を考えるようになりました。YouTubeやネットで調べましたが、情報は抽象的・定性的でした。でも自分たちが作りたい家ってもっと具体的な話じゃないですか。土地や建物のサイズ、性能の影響など、自分たちだけでは判断が難しくて、プロと話してみたいと思っていました。
ただ、その時点で絶対に家を建てると決めていたわけではなく、納得できれば進めたいという気持ちでした。
柿:パッシブハウスに興味を持たれていて、新住協のこともご存知でしたね。
主:コスモホームさんのホームページで建築事例を見て、C値やQ値などの数値が明記されているんですよね。特に、C値を測定しているところって本当に少ないんですよ。測定しない会社もあるみたいで。その中で、コスモホームさんは少数派で、ちょっと変わった会社みたいな印象でした。
私も技術屋ですから、本当に強みだと思っていることは、数値で示します。他社より優れている部分は、当然公開してその価値を伝えたいし、そうした情報を求める客層にアプローチするためにも、数値の開示は欠かせません。
家づくりを考える上で、数値の開示は私にとって重要な判断基準でした。その条件をクリアしていたのが、コスモホームさんでした。
柿:技術的な裏付けを持つことが、安心につながると考えています。しかし、技術的な話は、お客様からするとあまり好まれないことが多いです。
主:そもそもスペックがあまり重視されない傾向がありますよね。
「絶対お得ですよ」とか「絶対に快適です」と言う会社に対してもそうですが、その根拠を数字で出せるか、あるいは自分で計算できるかが重要ですよね。根拠なくただ口に出すだけだったら誰でもできてしまいます。自分が納得できるくらいの知識は身につけた方がいいと思います。
最終的には自分の責任になります。自分の責任とするためには、ちゃんと自分が理解して、フィーリングに騙されないようにすることが大事です。
柿:納得できる知識を持つことが意思決定の土台になりますよね。建築事例をご覧になったとき、どんな印象を受けましたか?
主:100%私の好みの家ばかりだったわけではありません。私の好みとは違う家もありましたが、それぞれの施主の好みに合わせた設計がされていますから。もちろん、いいなと思った事例もあったので、デザイン面でもまったく問題ないと思いました。
そんな時、住宅設備の見学イベントを知って、「これは逃せない」と参加しました。
話していて、断熱・気密へのこだわりを感じましたし、要望をしっかり聞いてくれる姿勢も伝わってきました。あと、単純に話しやすかったです。
◆理想の住まいを実現するための選択
柿:コスモホームでは、プランニングする時からテーマを設けています。今回のテーマは“広いリビングで思い思いに過ごす家”でした。
主:家づくりを考え始めた時、まず性能を重視していました。
大開口の窓は熱の問題を考慮しつつ採用したいと思っていて、その次に広さ。狭い空間が苦手で、圧迫感のない空間で過ごしたいと考えていました。
柿:海外で住んでいた時の間取りが印象的でしたね。
主:日本のアパートとは違い、大きなL字型のソファがありました。
帰国後に住んだアパートは狭く、大きなソファを置けず、リビングで過ごす時間が減ってしまいました。寛ぐための部屋なのに、居心地が悪いのは避けたかったので、リビングは広くしたかったんです。ここは念を押しておこうと思いました。
柿:なるほど、実際に広い空間で過ごした経験が、家づくりの考えに大きく影響したんですね。確かに、くつろぎの空間が窮屈だと、リラックスしづらくなりますよね。
主:寝室や他の部屋は広くなくても構いませんが、普段過ごす場所は広い方がいい。メリハリをつけることが大事だと思いました。
柿:インナーガレージは、実際に使ってみてどうですか?
主:オーバースライダーのシャッターは、この家の設備の中でもトップレベルの満足度です。
価格を見て「こんなにするのか」と驚きましたが、毎日使うものだからこそ、投資する価値があると判断しました。
快適で視線も気にならず、とても良いですね。
奥:これまで風に煽られながら出勤することが多かったのですが、ガレージから出勤できてとても楽になりました。私としては一番良かった点ですね。
主:酒田は雪が少ないですが、それでも降ることがあるので、雪かきをしなくて済むのは大きなメリット。冬でも車内が冷えすぎず、ハンドルの冷たさを感じることがなくなりました。
そもそも家を暖かくしたい目的の一つに、ヒートショックの防止があります。
車の温度変化もヒートショックの原因になりますが、インナーガレージのおかげで冬が格段に楽になりました。
◆土地探しの不安を乗り越えて
柿:土地探しからお手伝いさせていただきました。土地選びの際に、重視していた条件は何でしたか?
主:少しずつ土地探しはしていました。でも、建築の専門知識があるわけではないので、その土地がどうなのかわかりません。
ホームページに「土地選びも一緒にします」とありましたし、打ち合わせでも「広さや場所だけで選んだ土地が、必ずしも家を建てるのに適しているとは限らない」と説明があって、相談しながら進めようと思いました。
柿:土地選びの過程で、決め手になった出来事はありましたか?
主:柿崎さんから「こういう土地が出ましたよ」と教えてもらいました。場所も広さも理想的で、「こんなに都合のいい土地があるのか?」と疑いましたが、私も妻も気に入りました。
すぐに柿崎さんと見に行って「ここ、いいですね」って話で。プロの目線からも適した土地なら決めようと思いました。
不動産屋にはほとんど行ったことがなく、敷居が高いイメージがありました。「不動産屋は土地のプロだけど、家を建てるプロではない。家を建てるのに適した土地かどうかの知識があるわけではない」という話をネットで見ていたので、変な土地を売られたらどうしようという不安がありました。
柿崎さんが不動産屋に同行してくれたのは非常に心強かったです。何も知らない素人が単独で行くのと、家づくりのプロと行くのでは安心感が全然違いました。
柿:“土地選びのセミナー”を受講していただきました。土地選びに対する考え方に変化はありましたか?
奥:セミナーで「性能を重視するなら土地選びも重要」と聞いて、「なるほど」と納得しました。YouTubeなどの動画では理解しきれなかった部分も、柿崎さんから直接話を聞くことで整理できました。
土地を一緒に見に行ってもらったことも、家づくりに対するこだわりを感じましたね。
柿:セミナーを通じて、土地選びの重要性を実感していただけたようで何よりです。
◆伝えた以上に満足できる家づくり
柿:プランニングシートでは、家に対するイメージがとてもはっきりしていましたね。
主:最初にプレゼンしてもらった時、「めっちゃいいじゃん」と思いました。「基本これでいいな」と。「頭の中覗いた?」と思うほど期待通りの構成で驚きました。
柿:理想の住まいのイメージをしっかり汲み取れたようで、嬉しいです。
主:途中から「OK!これでいこう」と思いながら最後までプレゼンを聞いていました。
全体の雰囲気や枠組みが期待通りだったので、「ここは大丈夫だな」と。
細かい部分は調整していく必要がありますが、自分たちが伝えたり調べたりしながら決めれば、大きく外れることはないだろうとも思いました。
柿:私たちは「提案型の住宅」と呼んでいますが、お客様の言葉をもとに、何を求めているのかを私たちなりに提案することを重視しています。お客様がすべてを決めるのは難しいため、「こういうことをやりたいのではないか」という視点から提案をしていきたいと考えています。
そういったヒントから生まれたのが、洗面化粧台のミラーボックスでした。
主:ネットで見て「これいいな~」程度の軽い認識でした。できるかどうかもわからなかったので、こんな感じというイメージを伝えました。
鏡のついた扉が横にスライドするという構造くらいしか伝えていなかったのですが、「こうなって欲しい」と思っていたものが形になっていました。
むしろ、思っていた以上に本当に良いなと。イメージしていたとき以上に、実物を見た時の方が「いいじゃないか!」という気持ちが強くなりました。
柿:現場で職人さんと使い勝手を考えながら何度か調整しました。
主:細かく指示したわけでもないのに、使いやすいように仕上げてくれていたところが、とても良かったですね。
柿:それがコスモホームの特長のひとつだと思っています。お客様の思いやイメージをどのように解釈し、形にしていくか。
意思疎通のキャッチボールを大切にしています。いい意味で“期待を裏切る”ことで、お客様に驚きを感じてもらえたのではないでしょうか。今のその言葉につながったのかなと感じています。
◆一年過ごして感じた快適さ
柿:お引渡しから一年が過ぎますが、住み心地はいかがですか?
主:とても快適です。
「毎日毎日、この家最高だ!」と強く思うわけではありませんが、むしろ「ここが嫌だな」「寒いな」「周囲の音がうるさいな」「間取りをこうすればよかったな」といったマイナス面をほぼ感じません。そういう意味では、ストレスのない家ですね。
柿:ご主人が思い描いていたイメージ通りの家になったということですか?
主:そう思っていますね。
もちろん、「もう少しこうすればよかった」と思う部分もゼロではありません。
ただ、家に限らず、どんなものでも100%理想通りにできることは少ないですよね。そう考えた時に、「いいものができた」と言えるし、全く後悔はありません。
“この家にしてよかった”って思っています。
柿:その言葉は、新住協の本のタイトルとも同じですね。まさに、住まいに対する満足感が詰まった言葉だと感じます。
主:家づくりをしている時は、毎日のように調べたり勉強したりしていました。そういう苦労をした甲斐があったと思います。
柿:奥様は寒いのが苦手だという話をよくされていましたが、いかがですか?
奥:私はかなり寒がりなので、少しでも暖かい方がいいんです。ちょっと暑いくらいでもいいくらい。
だから、「せっかく家を建てても寒かったら怖いな」っていう不安がありました。
実家にいた頃は、冬は基本的にこたつから出ないような生活だったので、こたつなしで普通に快適に過ごせる冬というのは、住んでみてとても新鮮な体験でしたね。
アパートや実家にいた頃は、起きた瞬間から寒さとの戦いが始まるのが辛かったのですが、最近はその感覚すら忘れてしまう程です。
主:アパートに住んでいた頃は、布団から出たくなくて、お互い「ストーブつけて…」みたいなやりとりをしていました。
奥:実家では暖房をすべて消して寝るので、朝の室温が3℃くらいになるのが普通でした。
そういう生活から解放されたのは、本当にありがたいです。
主:アパートは10℃前半のことが多かったですね。顔まで冷たくなってしまう感じでした。
今は20℃台前半くらいです。朝起きたら普通に布団から出られるし、寒さと戦う必要がなくなりましたね。
◆知識が家を変える
柿:家づくりを学ぶことについて、どう思われますか?
主:重要だと思いますね。今こうして住んでいる立場としては、コスモホームさんなら私が期待するレベルの高い家を作ってくれると感じています。
柿:地域の工務店を選んだことで感じたメリットや、不安だったことはありますか?
主:ハウスメーカーで建てる人が多い理由は、多分工務店に依頼することにリスクを感じるからだと思います。
例えば、親に「家を建てる」と言えば、有名なハウスメーカーの名前を挙げると「いいじゃない」となることが多いですよね。全国展開している会社というだけで、自然と安心感を持ってしまう。
でも、地域の工務店や設計事務所に依頼する場合、「その会社大丈夫なの?」となるのは当然で、知らない会社だからこそ、不安に感じるのは尚更です。
今となっては、コスモホームさんが問題なく設計できるという認識がありますが、これは住んでみるまで100%確信があったわけではなく、実際に住んでみて過ごしやすさを実感したことで確信に変わったからです。
柿:住んでみて初めて確信に変わるというのは、経験したからこそ言えることですね。
主:ここで重要なのは、建て主に知識があるかどうかです。
全く知識がなければ、相手が正しいことを言っているかどうかを、運や勘に頼って信じるしかありません。
でも、ある程度の知識があれば、信頼できる設計者や工務店がどういうことを言う傾向にあるのか、どんな数値を示してくれるのかがわかります。
相手を信頼するために、建て主がきちんと知識を持って、対等とまでは言わなくても最低限の話が通じる状態にしておくこと。
それが結果として良い家づくりにつながるのではないかと思います。
むしろ、工務店選びの段階でこそ、こういった知識を持つことが本当に大事だと思いました。
◆太陽光発電は本当にお得?住宅ローンと売電収支のリアル
柿:太陽光発電設備の導入を支援する補助金もあることから、設置する方が増えています。今回は最大で6.4kw出力のシステムを設置しました。実際に電気代への影響を実感されていますか?
主:電気代という点では明らかにいいですね。
基本的に太陽光設備って住宅価格に含めますよね。多くの人は住宅ローンを借りて支払いすると思うんです。だから、実際のところローンで太陽光発電を買っているようなイメージだと思います。
売電価格だけ見ても、ローンの実質的な月払い分はペイできています。発電した分を使うことで外から電気を買わない。これが本来の使い方だと思います。
柿:UA値や断熱等級などの条件がありますが、国や自治体からの補助や支援が受けられます。今後さらに普及していくでしょう。
主:住宅価格が上がっている中で、太陽光設備の費用がさらに掛かるというイメージもあるかもしれません。
不安になっている人の多くは、「廃棄時の負担が大きい」「売電・買取価格が下がっている」という視点での反対意見を持っていると思います。
イメージで伝えられる情報ではなく、しっかり計算している人の情報を参考にした方がいいです。収支計算を出している人や、ある程度条件を仮定して計算をしている人の数値を見れば、明らかにお得です。そこは安心してもらいたいですね。
◆家を建てることがゴールではない
柿:これから家づくりをしたいという方にアドバイスがあれば教えてください。
主:身も蓋もない話ですが、人それぞれだと思うので、「絶対にこうすべき」といった具体的なことは言えません。
ただ、私たちが一番大事にしたのは「自分がどうしたいのか」ということ。
家をどうしたいかということよりも、まず「どんな暮らしをしたいのか」、さらに言えば「残りの人生をどう生きたいのか」。そこから「日々の暮らしをどうしたいのか」「それを実現するために家はどうあるべきか」と考えていくことが重要だと思います。
奥:家族や自分自身が何を優先するかを見極めるのは大変ですが、「何が一番譲れないか」を考えてから家を建てるのがいいと思います。
人それぞれ価値観が異なるので、自分の大切にしたいことを明確にしてから家づくりを進めれば、失敗は少なくなるのかなと思います。
主:夫婦であれば二人で考え、家族がいるなら全員で考えることが大事です。
誰か一人がやる気になって、一人で調べて、一人だけ必死になって家づくりを進めるのではなく、住む人全員が「どう暮らしたいか」を話し合う。
それをしっかり言葉にして、コスモホームさんにも伝える。
細かいことを伝えるのではなく、「こういう暮らしがしたい」という考えをしっかり伝えれば、理解してもらえると思います。
柿:そういった思いをしっかり受け止め、具体的な提案につなげることが、信頼される住宅会社としての大切な要素になりますね。
主:私も仕事をしていると、似たようなことを感じることがあります。
依頼内容が細かすぎると、「この人は結局何を目的にこの依頼をしているのだろう?」と思うことがあります。そんな時、相手が何を考えてその発言に至ったのかを理解することが、自分が行動する上で非常に重要だと気づくはずです。
それは家づくりでも同じ。自分たちの考えを的確に言葉にすることで、明瞭に伝えられると思います。そして、それをしっかり理解してくれる会社を選ぶことが大切ですね。
柿:私たちは、その思いをきちんと受け止め、満足いただける形にできていたでしょうか?
主:そうですね。
それに加えて、私はこういった話をする相手は、技術的なことをしっかり話せる人がいいんです。営業職の方よりも、設計の方のほうが個人的には話しやすいですね。
私のように、技術や論理的な考え方を重視する人であれば、設計者や技術者と直接話せる環境があるかどうかも、重要なポイントになると思います。
柿:今日はたくさんのお話を聞かせていただきました。お話を伺い、これからも新しい家づくりに挑戦し続けたいと改めて思いました。