酒田市澤井様邸「アウトドアの準備がワクワクする家」
お客様=澤 インタビュアー:柿崎=柿
【お客様】澤井浩様
【住所】山形県酒田市
【引渡し】2020年4月
【土地面積】569.9坪
【延床面積】19.01坪
【熱損失係数Q値】1.20
【インタビュー】2021年11月8日
◆急転直下でスタートした家づくり
柿:澤井さんとは2019年に資料をお求めいただいたのが始まりでした。どのようにしてコスモホームを知ったのでしょうか?
澤:「こだわる家を建てたいな」って思った時、「どういう家を建てたいか」って考えました。その中で『夏涼しくて、冬暖かいを建てたい』ってことが重要な部分でした。
「そういう家はどうやって建てるのかな」って調べていくうちに、新住協さん(新木造住宅技術研究協議会)のことを知りました。
さらに「地元で関わりがある住宅会社はどこか」と調べて見つけたのがコスモホームさんでした。
柿:「いやぁこの方、勉強しているなぁ!」というのが澤井さんの第一印象でした。
家を建てようと思ったきっかけは、そもそも何だったのでしょう?
澤:私は次男なので、家を出るということをある程度前提にしていました。でも色々と事情があって、このまま実家で過ごすことになるのかなって思っていました。
それなら実家をリフォームしようと考えたのですが、同居する両親から「古くなった家にそこまでお金を掛けてまでやる必要があるのか?」と意見があって。
そこから急転直下!
「じゃあどうしようか?」「田舎なので場所はある!」「じゃあ建てたらどうだ」っていう方向に話が進んで…
柿:急に「建てようか」って話になったわけですね。
澤:そうです。最初は酒田市内か職場に近い所とか、建売や中古物件、住宅展示場も見に行きました。でもそこでは、ピンとこなかったんですよね。
柿:その「ピンとこなかった」っていうのはどういう所が?
澤:年に数回、「家が傾いてきた」とか「(屋根や天井に)穴が開いていた」と不安を煽るような番組がありますよね。そういうことがあるって聞くと、中古物件は怖いなって。
建売も、どういう状況で作られているかわからないし…
柿:それで建売と中古物件はやめたんですね。住宅展示場はどうでしたか?
澤:私の希望が一般的ではない部分があったので、用意されているプランから選択する規格住宅では「自分の好みに作れるのかな?」というのがまずありました。
それに「自分たちが用意しているものを買ってもらう」対応が一方的だなと感じました。
柿:たとえば?
澤:展示場へは漫然として行ったわけではなくて、ある程度イメージを持った段階で行ったんです。その段階での答えを求めに行ったのですが、それが返ってこなかったんですね。
結局「自社のものを売りたい」っていう返答しかこなくて、ちょっと違うのかなって。
前にも話しましたが、展示場で「壁紙剥がれてない?」って聞いたら「築5~6年ですからもう古いんです」って言われたんですよ。
柿:去年発行した『南東北の高断熱住宅第3号』のユーザー登場の取材の時に、話していたエピソードですね?
澤:そう。展示場でのこの一言は、何気にショックでした。35年間ローンを払う家に、たった築5~6年で古いって言われてしまっては…
柿:そうですよね。
澤:それで、そこへの信用はもうなくなりましたね。大雑把に調べた範囲では、ここにしようって決められる会社が、見つからなかったんです。
なので「もうちょっと深く調べてみようか」と、辿り着いたのが新住協さんでした。
地元に新住協会員の会社があって、本当に感謝しています。コスモホームさんに出会っていなかったら、諦めていましたね。
柿:家を建てること自体を、ですか?
澤:はい、諦めていました。高いお金を払って、中途半端な造りの家はいらないって考えだったんです。
建てられないなら、ローンを払うのと同じくらいの家賃のアパートで暮らしてもそれまでだなって…
柿:その位、悩んでいたんですか。
澤:一生住むわけですから、自分が納得できない家で一生を過ごしていくのが、嫌だったんです。それよりだったら、建てないって選択も。やっぱり安いものじゃないので。
その点コスモホームさんは、聞いた事に返してくれる内容が、全部私が欲しかった答えだったんです。
こういう感じのことを聞きたいって尋ねると、そういう方向でちゃんと答えが返ってきていたんです。
◆家を建てようと決意した時から希望していたもの
柿:家を建てようと思った当初から希望していたものを、いくつか挙げてもらえますか?
澤:一つは高断熱住宅。やっぱり「冬暖かくて、夏涼しい家ってどんな家?」っていうことから勉強し始めました。
柿:でもそういう事を謳っているハウスメーカーは、いっぱいありますよね?
澤:今となっては、どこでも高断熱住宅ってやっていますけどね。ある意味では、横並びになっちゃったのかなと思います。でも私が勉強し始めた頃は、そうでもなかったんですよ。
『高気密高断熱』は、一つの大きなワードでした。
柿:それで新住協を探し当てた、ということですね。他にはどうですか?
澤:あとは『一人で住む』って決めていたので、そういう個人的な事情に寄り添ってくれているところ。
住宅展示場では、夫婦二人と子供が二人というタイプの家が多かったので。
柿:そういえば、澤井さんとプランニングするときに、「こうしたい」っていうのを結構持っていましたよね。
澤:そうです。間取りを色々と調べて、「お!これいいね」っていうのをまずバンっと最初にだして(笑)。趣味の『釣り』と生活がうまく絡み合っている動線。間取りは完璧です。
◆趣味と生活を両立させた暮らし
柿:趣味の話がでましたが、私たちがプランニングするときに、お客様と一緒にそれぞれテーマを設けています。
澤井さんの場合は、【アウトドアの準備がワクワクする家】というテーマでした。
澤井さんの趣味は釣りで、仕事もそういった関連です。仕事と趣味を兼ねていらっしゃるというのは、羨ましい限りです。このテーマで取り組ませてもらいましたが、その辺はいかがでしたか?
澤:アウトドアには『濡れる』『汚れる』はつきもの。
道具は玄関の近くにまとめて、趣味と生活の部分を分けつつ、うまくアクセスできるような空間づくりをしたいと思っていました。
柿:まったく分離するというわけではなくて、生活をしながら釣りの準備もしたいという事ですね。
澤:完全な離れみたいに趣味の空間を分けてしまうと、普段生活している中から準備する部屋へ行くときに、気合がいるというか気軽に向かうことができなくなってしまう。
根詰めて作業するのが苦手なので、何かをしながらこっちで作業とかそういうのが理想でした。今はそれが出来ています。いい感じに作っていただきました。
柿:釣り道具を収納している部屋(玄関に設けた土間収納)を先程見せてもらいましたが、びっくりしました。
きちんと整理されていて、まさに『趣味の部屋』でした。使い勝手もよさそうですし、釣り竿も上手にディスプレイされていて素敵でした。
今回は澤井さんがDIYで仕上げる前提で、弊社ではこの部屋の内装の造作をしませんでした。
澤:自分で出来るところは自分で。DIYも嫌いじゃなくて、自分で考えて作業するのが好きなんです。
そういうのも、生活の一環としてやってみようかなと。
柿:コスモホームでは、お施主様から床や棚板の塗装をしてもらうことがあります。
少しでも自分で手を加えると、家に対する愛着心が全然違ってくると思って推奨しています。
澤:道具を干したり仕舞ったりできて快適ですよ。汚れを室内に持ち込まないようになっている。
準備をするのがとても楽になりました。忘れ物も減りました。(笑)
◆進化が止まらないDIY
柿:『趣味の部屋』作りの延長線上で、キッチンのカウンターもDIYされていますよね。
澤:キッチンとリビングの間にカウンターが欲しくて、材料から全部自分で揃えて作りました。でもまだ途中なんです。カウンターを作っている途中に、壁面収納をやり始めちゃったんで…
柿:キッチンの壁を使った『見せる収納』。これも本当に上手く作っていますね。素晴らしいです。
澤:テレビの周りにも棚を付けたり、時計を掛けたりしようかなと思っていて。
コスモホームさんが定期点検に来る時は、毎回びっくりさせられるようにと思ってやってるんです(笑)
まだまだ手を加えたいところは、いっぱいあるんですよ。
柿:来るたびに変わっていて、びっくりします。 IoTも取り入れていますよね。
澤:家とインターネットの融合みたいなのが最近流行っていますよね?あれも取り入れたいなっていうのがあったので、スイッチなんかもアレクサに対応しているものを用意してもらいました。
柿:なるほど。
澤:楽ですよ。帰る前に冷暖房をつけられるので、職場を出る時にスイッチを入れて帰れば、すでに暖まっているから快適です。
柿:これから住宅と設備の融合がどんどん進んでいくんだろうなと思いますね。
◆コスモホームに決める前まで悩んでいたことは?
澤:一番悩んでいたのは「自分が、分からないと思っている事にキチンと答えてもらえるかどうか?」と言う事です。
私は、住宅の工事などについては素人で、当然わからないことだらけ。その『分からない』が不安に繋がるわけです。
柿:私たちも、そこはとても気をつけています。
住宅会社は色々ありますが、主に営業の方が接することが多くあります。澤井さんのようにディープな質問をされると、上手く回答が出来ない事があるんですよね。
澤:間取りは住宅選びで大きな要素だと思うんですが、私はそこを余り重視はしませんでした。
もちろん、そこをいい加減にしたわけではなくて、提案されたことを自分の中で納得できればそれでいい。
自分のポイントとしている趣味の空間とか基本的なこと以外は、「ここに棚があって」とか細かい所やデザイン、色がどうのこうのっていうのは提案されれば考えるけども、そこは自分の中で大きな要素ではなかったんです。
コスモホームさんが今まで作ってきた家を見た時に、「何も言わなくても素敵なものができるんだ」と思ったんです。格好いい家が多いなぁって。だからそういう部分では、不安はありませんでした。
柿:澤井さんが抱いていた疑問やそういうものに対して、全部とは言いませんがある程度回答できていたということですか?
澤:質問して返ってきた答えに、不満とか不足を感じたことは一度もなかったです。
技術的なところもそうですし、過不足なく聞きたかったことに答えてくれる。その時に直ぐ答えられないようなことであっても、後でちゃんと返答がもらえるので、そういう部分の不満もなく、安心してやりとりができました。
柿:私たちも澤井さんとの打合せは、とても楽しかったです。
◆実際に一年半住んでみての住み心地はどうですか?
澤:住んでみないと分からないところっていうのは多少あります。
柿:具体的にはどんな?
澤:夏に二階の寝室が、チョット暑いことかな。24時間熱交換換気システムを利用して、エアコンは弱で一日中つけっぱなしにしておけばいいのでしょうけど、普段は寝るために帰ってきているような生活なのでエアコンは切っています。
柿:夏の対策は日射を出来るだけ侵入させない工夫が大切です。夏の暑いときは、エアコンは一日中稼働する事を想定しています。もし切るのであれば、帰宅時間に合わせて少し早めにスイッチを入れることをお薦めします。
澤:下からサーキュレーターで、二階の真ん中あたりに扇風機を置いて、風が流れるよう循環させています。
空気の流れは住んでみないとわからないことだと思います。
その辺の夏の暑さ対策は、自分で工夫すれば今のところ何とかなっているので。冬は、エアコンをつけると本当に直ぐ暖まる。一時間もつけていれば、エアコンを切ってもいいくらい。それで一日過ごせるくらい温度が保たれているので、冬は本当に快適です。
無垢床も普段から裸足で過ごしています。
柿:無垢のパイン材ですね。足の肌触りも良いですし、暖かいですよね。ぬくもり感があって。多少キズはつきますけどね。
澤:暖かいです。不快感がまるでないです。キズは別にそんなに気にしてない(笑)
柿:澤井さんは実家の土地の一部に家を建てましたが、行き来することによって今までの家と、新しい家との違いはどう感じますか。
澤:違いはわかりますよ、当然。今、もう実家は寒いです。外気温と変わらない家ですから。
こっちの家のドアを開けた瞬間「あったかい!」って言いますからね。親も違いは感じていると思います。あったかい家です。あったかい(笑)
◆新住協の取材や勉強会に参加してみてどうでしたか?
柿:実際にこの家を新住協のメンバーも見学させてもらいましたし、昨年4月に発行した雑誌『南東北の高断熱住宅』のユーザーインタビューにも出ていただきました。
取材を受けて、また私たちの勉強会の様子を見て、どう思われましたか?
澤:いくらでも使ってくださいって感じで、断る理由もなくて取材を受けました。
一つの会社だけで、技術を向上し続けていくのは限界があると思うので、「こういうのはどうなんだろう」ってグループの中で互いに切磋琢磨しているのを見て、安心して任せられると思いました。新住協のやり方っていうのは、試した結果を共有している。
そこが技術力が高いところで、保たれている要因の一つなのかなと思いました。
柿:新住協というのは室蘭工業大学の名誉教授である鎌田紀彦先生を主体としている団体ですが、鎌田先生が『高断熱高気密』という言葉を最初に発したのが三十数年前。だいぶ前の話ですが、それも少しずつ進化をしています。
最初から技術が確立していたわけではないんですよね。ただ考え方は筋が通っていて、私も二十数年所属していますが、非常に信頼できる団体だと思っています。
その中で、最新のQ1.0(キューワン)住宅を澤井さんに提供させていただきました。
実際に、今日こうして生活している澤井さんから快適だという話を聞いて、理論と実践が一致している。理論だけでも、実践だけでもダメですから。今日お話を聞いて、理屈に合った仕事をしていると自信を持つことができました。
澤:勉強会は床を付加断熱する話でしたよね。
柿:そうです。
柿:付加断熱って結構難しいんですよ。私もここ数年やっていますが、これは新住協の仲間でも、やり方の議論が色々あって少しずつ変わってきています。
わずか5㎝厚の断熱材ですが、それが重要なんです。
澤:床が冷たいって一度も思ったことがないんですよ。
冬はそれなりに寒いので靴下は履いて過ごしていますが、床を踏んで「冷たい」って感じることはないんです。それが実家だと「靴下なんかじゃ歩けないよ」ってくらい本当に冷たくて。でもこの家で、そんなことを思ったことが一度もない。
ちゃんと施工してもらっているというのが、分かりますね。
柿:そうおっしゃっていただけると、やってよかったと思いますね。
◆これからお家を建てようとお考えの方にアドバイスをお願いします。
澤:これから家を建てたい、家が欲しいと思っている人に対して言いたいことは、「自分から手に入れようとしなければ、手に入らない」ということ。
与えられないし、待っていればくるものじゃないんですよね。自分がどういうものが欲しいのか、掴みにいかないと理想の家は手に入らないし、建てられないと思います。
家は自分一人で建てられないので、相談出来る相手をいかに探すかという事ですね。探しに行かないと見つかりませんので。
柿:自分から探す。そこが大切ですね。
澤:自分からそれなりの行動を起こせば、それなりの結果が出てくるので、まずアクション。それが勉強だったり、色んな人に話を聞くとか、伝手(つて)を頼ってもいいでしょうしね。
ぶっちゃけたことを言えば、ホームページで、これを見ている人は、コスモホームさんに興味があると思うので、すべてお任せしてくださいと。もうその一言です!
柿:決して言わせているわけではありませんので(笑)
今日は、色々お話しを伺いました。これから家を建てる方の参考にしていただればと思います。
私たちも完璧ではありません。お施主様から指摘や注意を受けることもあります。反省するところは、反省し次の仕事に活かしていきたいと思っています。
一番大切なことは、このように生の声を聴かせていただくことです。
今日は本当にありがとうございました。
澤:ありがとうございました。