“期待を裏切る”家づくり物語 07

 コチラのお宅のテーマは、
「細長い敷地に建つ、薪ストーブがある家」薪ストーブのある家に住みたい!というご夫婦の強い想いから始まったお家づくりです。
新築にあたっては、《ご両親のご家族と同居を始められること》《敷地の間口が約7mで細長いこと》《両隣りの住宅との距離が近くて光が入りにくいこと》なども考慮してほしいというご要望でした。

薪ストーブ

何よりも優先された薪ストーブ。
薪ストーブを建物の中心、リビングの中心に置きました。
暖められた空気は、住宅の二階へと流れます。
人の通り道である階段が、そのまま熱の通り道となるように、階段は“スケルトン”、手すりは“スリット”にしました。
ご覧のとおり、階段は北からの光の通り道にもなっています。 階段を上った先は物干しが出来るので、乾きにくい冬のお洗濯物もカラリと乾きます。
二階の各お部屋は、扉を開けておけば薪ストーブの熱で十分な温かさとなります。

手造りの家

お施主様は完成の二か月前から薪の準備を始めました。
本来薪ストーブに使用する薪は、二年以上の乾燥させるとススの量が減り、燃焼が良くなります。
しかし今回は間に合わなかったため、今年の分だけ購入しました。薪ストーブを設置する壁のレンガ積みは、お施主様自身が施工されました。 お子さんもお手伝いです。床の保護剤もお施主様が塗りました。二階トイレの塗り壁は、苦労されながらご夫婦で完成された力作です。
この塗り壁材の原料は、スイス氷河粘土で、火山灰が堆積した岩からできています。
優れた調湿性で結露を抑え、室内の臭いを吸着する特性をもっています。
今回のように、トイレなどにピッタリです。

細長い敷地

間口が約7mと狭く、お隣との家の距離も近い敷地。
ご両親の部屋は、将来的なことを考慮して一階にしました。
とかく細長い敷地の場合、一階の部屋は暗くなりがちです。
そこで、最も道路に近く明るい場所に配置。

曇りの日でも、日中は照明はいらないかもしれません。こちらの部屋には、ご両親だけが在宅のときのために、簡単に点火できて熱量のムダが少ないFF式ストーブを設置しました。
また、玄関に最も近いので、お友達のご訪問にも便利です。
靴箱は、お住まいになるご家族の人数に合わせて大き目にしました。薪ストーブのあるリビングは敷地の奥となるため、光をとれる東側をL型にし、採光がとれるように工夫しました。
今回の建物も、くつろぎの場所となるリビングの照明は一室複数灯にし、『食事』『家族団らん』『寛ぎ』『テレビを見る』などさまざまな生活シーンを楽しめるようにしています。

こだわりの照明は階段へと続きます。
子供部屋は、高い位置の窓で光を採ります。主寝室も、明るく。主寝室の奥には、大きな収納をご希望だったので、ゆったりとしたウォークインクローゼットを配置。
主寝室の隣にも、家族全員が使える大きな納戸も併設しました。
薪ストーブの暖かな光が、家族の笑い声を包むお住まいです。